韓国最大の財閥サムスングループ会長で、傘下のサムスン電子を半導体や携帯電話などで世界大手に育てた李健熙(イゴンヒ)さんが25日、死去した。韓国メディアは老衰と報じている。78歳だった。2014年に心筋梗塞(こうそく)で入院してから経営の一線から退いていた。サムスン側によると、葬儀は家族葬で営まれる。

 グループ創業者の故・李秉喆(イビョンチョル)氏の三男として、韓国南東部の慶尚南道で生まれた。早稲田大商学部を卒業後、米ジョージ・ワシントン大経営大学院を修了。1987年にグループの会長職を引き継いだ。

 当時のサムスン電子は世界的なシェアを誇る商品がなかったが、果敢な投資で半導体や携帯電話などの分野での世界トップ企業に育てあげた。造船なども含むグループ全体の輸出規模は、韓国の輸出総額の3割近くを占めるまでになった。

 「妻と子どもを除き、すべてを変えよ」など独特の経営論が注目され続けた。国際オリンピック委員会(IOC)委員も務め、11年には平昌冬季五輪(18年開催)の誘致を成功させた。

 一方で、韓国では常につきまとう財閥と政界の癒着からは逃れられなかった。前大統領を含む政界へのロビー活動などで検察に起訴され、一時、会長職を退いたこともあった。14年に入院した後は、長男の李在鎔(イジェヨン)サムスン電子副会長がグループの実質トップを務めている。(ソウル=神谷毅)