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 球威でねじ伏せた。来秋のドラフト候補で最速152キロ右腕、市和歌山の小園健太が25日、秋季近畿地区大会の準々決勝、智弁和歌山戦に先発し、9回4安打で完封勝利。同県のライバル対決を2―0で制し、来春の選抜大会出場を有力にした。

 「すべてをかけて臨んだ一戦。今までで一番の投球ができました」。九回2死から最後の打者を一ゴロに仕留めると、小園は両手を突き上げて喜んだ。

 この日のテーマは「内角球」。智弁には新チームになって過去2戦2勝しているが、その時は外角中心の配球だった。「相手は研究してくるので、そこを逆手にとりたかった」と小園。球は少々荒れたが、序盤から打者の胸元をぐいぐい突いた。

 これが生きる。腰が引けた相手に中盤以降は外のカットボールが効いてくる。散発4安打、長打を一本も打てずに敗れた智弁和歌山の中谷仁監督は「いろいろと対策をしたが、相手が一枚上だった」と脱帽した。

 大会ナンバーワン投手との呼び声が高いのは、この投球術も備わるからだろう。きれいな縦回転の直球を投げるため、練習では硬球より3倍ほど重いゴム製のボールを使って壁当てをしているという。自ら編み出した練習法だ。

 4強に進出し、自身初の甲子園が近づいたが、まだ実感は湧かない。「甲子園のマウンドですか? いつもそこで投げている姿を想像しているのに、きょうはなんか不思議な感じです。へへへ」。身長185センチ、体重86キロの大きな体を揺らして笑った。(山口裕起)