[PR]

 トルコのエルドアン大統領は24日、イスラム教に対する考え方をめぐり、フランスのマクロン大統領には「精神の治療が必要だ」と発言した。これに対し仏政府は駐トルコ大使を召還するなど猛反発。AFP通信によると、今月、パリ郊外で中学教員(47)が殺害されたテロ事件では「トルコは弔意を送ってこなかった」と仏大統領府が批判するなど、なじりあいの様相になっている。

 マクロン氏は、過激派対策を理由にイスラム教への規制を強めている。今月上旬には「イスラム教は世界各地で危機的状況にある宗教だ」と述べ、国内のモスクの資金監視などを強化する方針を表明。預言者ムハンマドの風刺画を授業で扱った中学教員が殺害されると、教員を非難する動画を拡散したパリ郊外のモスク閉鎖を命じた。

 トルコメディアによると、エルドアン氏は24日の与党の集会でこうしたマクロン氏の姿勢について、「宗教的違いを持つ数百万もの人たちを一国の代表がこのように扱うとは。精神の検査が必要だ」と非難。エルドアン氏は敬虔(けいけん)なイスラム教徒として知られ、政権運営でもイスラム色を強めている。

 両国はともに北大西洋条約機構(NATO)の加盟国だが、天然ガス資源の争奪が激化する東地中海や、国を二分する対立が続く北アフリカのリビアなどをめぐって対立が先鋭化。アゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ地域をめぐる同国とアルメニアの紛争でも、アゼルバイジャン支持を明確にするトルコをマクロン氏が「危険だ」と非難するなど、緊張関係が続いている。(イスタンブール=高野裕介、パリ=疋田多揚)

【動画】フランスで10月、イスラム教の預言者の風刺画を授業で見せた教員が殺害された。仏国内では同様の風刺画をめぐり暴力的な事件が続いてきた。