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 四国には俺もいる――。そう主張するような投球だった。25日の四国大会準々決勝に登場した明徳義塾のエース代木(しろき)大和(2年)が9回を被安打5、121球で完封した。

 183センチの大型左腕だが、最速は138キロ。球威よりも制球力で勝負するタイプだ。前日に13安打を放った英明(香川)相手でも動じず、テンポよく投げて四回までは無安打投球だった。

 安打を許してからは「相手も振ってくるし、打たせてとった方がリズムがよくなる」と切り替え、より制球力を重視。最大のピンチだった七回1死一、三塁では、自信のあるカットボールを低めに投じて引っかけさせ、二ゴロ併殺で切り抜けた。

 気持ちを強く持てるのは、父の教えがあるからだ。愛媛の古豪・川之江高、亜大でプレーした父・謙太さん(39)に「気持ちで負けるな」と言われ続けてきた。

 高知といえば、同学年に剛腕のライバルがいる。中学時代に150キロを投げて注目を浴びる高知の森木大智だ。「スピードは彼の方が上。でも高知を倒さないと甲子園にはいけない」と代木。勝負は球速ではなく、試合の勝ち負けだと分かっている。

 11日の秋季県大会決勝ではその森木と投げ合い、延長十二回日没コールドで引き分け。再試合でも力むことなく、丁寧な投球で完封した。冷静なマウンドさばきという自分の長所を生かしている。

 馬淵史郎監督が「今日だけじゃなく、おんぶにだっこ」と信頼を寄せるエースは、これで29イニング連続無失点と安定感抜群だ。「(今夏の)交流試合でマウンドを経験して、またあの場面で投げたいという思いが強くなった」と甲子園への思いは熱い。

 31日にある準決勝の鳴門(徳島)戦に勝てば、選抜大会出場が有力になる。代木は「自分が点を取られなければ負けない。きょうの終盤は下半身がうまく使えなかったので修正したい」。最後まで冷静だった。(大坂尚子)