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 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎつつ、人道危機にある地域に必要な支援を届けるにはどうすればいいのか――。国際NGO(非政府組織)の担当者たちが、知恵を絞り、命をつなぐための取り組みを粘り強く続けている。

 泥沼の内戦が続くシリア。戦闘により医療施設が大きな被害を受けるなか、新型コロナが猛威をふるっている。国連人道問題調整事務所(OCHA)の7日付の報告書によると、国内の感染者数は7500人、死者数は280人を超えた。手袋や防護服などの不足により、医療従事者の新型コロナ感染が深刻化している。

 NGO「ピースウィンズ・ジャパン」(PWJ)で2017年からシリアの人道支援事業に関わる井上慶子さん(33)は、提携する現地団体と連絡を取りつつ、空爆で破壊された住居の修繕事業や、食糧やウェットティッシュや除菌ジェルなどの衛生用品の配給に日本から関わる。新型コロナの感染拡大を防ぐため、配給は屋外や戸別訪問で行い、スタッフはマスクと手袋を着用しているという。

 井上さんは、コロナ禍で「元から厳しい生活を余儀なくされていた人々が、さらに苦境に立たされているのに、現場の声が届きにくいし、現地の人の姿が見えにくくなっていると感じる」と話す。「同じ空のもとに暮らす人間同士、危機を乗り越えて一緒に未来を生きていけるよう、支援に力を尽くしたい」

実情届けるオンラインイベント

 国際支援の現状を伝えようと、国際NGOの3団体が29日、合同のオンラインイベント「コロナ禍の中東人道支援」を開く。シリア、イラク、パレスチナ自治区の支援活動に関わる担当者3人が、団体の垣根を越えて各国・地域の実情を届ける。

 イベントに参加するのは、PWJ、日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)、「日本国際ボランティアセンター」(JVC)。コロナ禍で求められる物資、支援の届け方の変化などについて話す。井上さんも参加し、シリアの現状を伝える。

 午後7~9時、JVCのホームページ(https://www.ngo-jvc.net/jp/event/event2020/10/covid19-me.html別ウインドウで開きます)から参加を申し込める。事前質問も受け付ける。無料。(半田尚子)