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 菅義偉首相が今月、首相就任後初めての外遊でベトナムとインドネシアを訪れました。首脳会談の場で、橋渡し役となるのが「首相通訳」。首脳の考えや思いを伝える大事な役割は、どのような人が務めるのでしょうか。「総理通訳の外国語勉強法」(講談社現代新書)の著者で、アラビア語の専門家として首相通訳などを行った経験を持つ、元外務省職員の中川浩一さん(51、現三菱総合研究所主席研究員)に聞きました。

――国のトップ同士の会談では、どのような人が通訳を務めるのでしょうか。

 基本的には外務省職員である外交官が首相通訳の任務を担います。今回、菅首相のベトナムやインドネシア外遊でも行われた首脳会談は、まさに外交の最前線。外交機密が含まれる場には必ず外交官が通訳としてつくのです。一方、両国首脳による共同記者会見では、民間の通訳に委託する場合もあります。記者会見はオープンな場なので、必ず外交官でないといけないということはないからです。

 ただ、言語によっても違います。私が専門としてきたアラビア語のような言語は、英語やフランス語などと違い、民間の通訳は多くありません。そのような言語の場合は、共同記者会見でも外交官が通訳をしています。

――外務省に専門家がいる言語はいくつあるのでしょうか。

 外務省では世界44言語の専門家を育成し、それぞれが外交官、そして通訳として活躍しています。英語や中国語など使用人口が多い国や、日本と関係の深い国の言語はもちろんですが、デンマーク語やヒンディー語、主にタンザニアやケニアで用いられるスワヒリ語、パキスタンのウルドゥー語など、その地域でしか使われないような言語の専門家も育てます。外務省職員はもともとこれらの言語ができるとは限りません。私も入省が決まって、人事課に「アラビア語をやってもらう」と言われてゼロから勉強を始めました。

――なぜ外務省はそこまで多くの言語の専門家を育てるのでしょうか。

 多くの言語の専門家がいればい…

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