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 高額な費用がかかる不妊治療を保険適用の対象にする――。少子化対策の目玉として、菅義偉首相は内閣の発足当初から意欲を示し、先日開かれた政府の会議では「保険適用を早急に検討し、年末に行程を明らかにします」と明言しました。不妊治療に関わる諸制度の大きな転換点となりそうですが、世界ではすでに公的保険が適用される国もあります。各国で不妊治療はどう受け止められ、保険や経済的支援はどうなっているのか。「みんなに知ってほしい 不妊治療と医療保障」の著書があるニッセイ基礎研究所保険研究部の村松容子准主任研究員に聞きました。

 ――そもそも、「不妊治療」と一言で言っても、段階により様々な治療法がありますね。

 不妊とは、健康な男女が妊娠を希望して性交していても、一定期間妊娠しない状態です。日本産科婦人科学会ではその期間を一般的に1年間としています。原因は男性側、女性側に様々あり、複合的要因や原因不明のことも多いです。

 初期の治療法としては、卵胞の大きさなどから妊娠しやすい時期を見定めるタイミング療法や、排卵誘発剤を使って排卵を促す治療、精子を妊娠しやすい時期に子宮内に注入する人工授精などがあります。それでも妊娠しない場合、採卵して体外で受精させて子宮に受精卵を戻す体外受精などに治療がステップアップしていくのが一般的です。

 今の日本では、人工授精から先は公的保険の適用外です。ただし、人工授精はそこまで高額ではなく、多くの医療機関で実施しているので比較的やりやすい治療と言われています。今回の保険適用で話題にされている「不妊治療」は、厚生労働省の助成対象である「特定不妊治療」、つまり体外受精や顕微授精を指す生殖補助医療を含めて検討されています。

 ――高度な不妊治療である生殖補助医療は、保険適用外ですが、助成があるんですね。

 国の助成制度では、1回の治療あたり最大15万円の助成があります。治療を始めた時の妻の年齢が40歳未満なら6回まで、40歳以上43歳未満なら3回までが助成対象です。ただし、対象は婚姻している夫婦に限られ、夫婦合算で年間所得730万円未満という制限があります。国の助成に上乗せをする自治体も多くあります。

 都市部に有名なクリニックが集中していることから、治療のために飛行機や新幹線で東京や大阪などに通う人も多くいます。交通費は助成対象外です。治療は長期にわたり、治療費が数百万円にのぼることも少なくありません。所得制限にひっかかり、助成が受けられない人たちも多いと聞きます。

治療回数や年齢制限ない国も

 ――海外では保険適用や経済的支援の状況はどのようになっているのでしょうか。

 欧米諸国では、条件などに違い…

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