拡大する写真・図版全仏オープンでプレーする西岡良仁=ロイター

[PR]

 「相手が非常に良かったと思います」。10月23日の男子テニスのケルン選手権(ドイツ)の準々決勝。男子シングルスの世界ランキング56位の西岡良仁(ミキハウス)は同22位のカナダ選手に敗れ、ツイッターに書き込んだ。

 新型コロナウイルスの影響で延期になった東京オリンピック。突如できた1年の空白期間は、アスリートたちにどう影響するのか。担当記者が探りました。

 日本男子勢で、同36位の錦織圭(日清食品)に次ぐ存在。この25歳にとって世界各地のツアー大会はプロ選手としての戦いの一方、来年の東京五輪への道を切り開く戦いでもある。

 男子シングルスの五輪の出場資格の目安は、五輪前の6月の世界ランク56位以内。西岡は2月にツアータイトル2勝目をかけて米国の大会で決勝に進み、自身最高の同48位に。五輪出場資格の圏内。しかし、コロナ禍で状況は一変した。

 3月から大会は次々と中止になり、五輪も延期に。西岡も再スタートを余儀なくされた。ただ、試合がない間も、前向きに行動した。ユーチューバーという肩書も持つ。登録者数3万6千人を超えるチャンネルで「家でできるテニスの上達法」「英語学習」といった多岐にわたるテーマで投稿した。

 8~9月の全米オープンから復帰後、試行錯誤が続く。試合から半年遠ざかり、実戦感覚は精神面を含めて整えるのは難しい。身長170センチ。相手に応じて試合を組み立てるこのサウスポーにとっては特に顕著だ。

 9月の全仏オープンは、23日に敗れたカナダ選手に勝利。「自分のやりたいことをやれて、相手のやりたいことをさせない。アグレッシブな部分とメリハリをつけてやれた」と語った。ところが、2回戦はフランスの20歳にドロップショットを巧みに打たれて主導権を握られた。「感情を出したいタイプ。アンガーマネジメント(感情のコントロール)がうまくできれば」と話していたが、いらだち、負けた。

 西岡に東京五輪に出たい理由をたずねたことがある。テニスにおいて、五輪は世界最高峰の舞台とは言えず、4大大会の方が格式は高いからだ。西岡は言う。「日本ではオリンピックに出たかどうかで、アスリートとして成功したかどうかを見られがち。オリンピアンと言われたい」。テニスの普及のために出場して注目を高めたいという。

 五輪出場資格を得る戦いは、残り8カ月続く。女子シングルス同3位の大坂なおみ(日清食品)が「速くて爆発的な力があって私が大好きな選手」と評する西岡のテニス。研ぎ澄まされれば、チャンスはある。(堤之剛)

拡大する写真・図版全米オープンの試合後、ラケットを差し出し、アンディ・マリー(右)に歩み寄る西岡良仁=USAトゥデー・ロイター

■テニスの現在地

 テニスは男女シングルス、男女、混合ダブルスの5種目が実施される予定。2021年6月7日付の世界ランキングを基準に個人に出場資格が与えられる。男女ともシングルスは世界ランク上位56選手と最終選考枠で選ばれた8選手、ダブルスは男女とも32組、混合ダブルスは16組が出場権を得る。

米国に渡り、切り開いてきた将来

 初めて西岡良仁を取材したのは…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。

2種類有料会員記事会員記事の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら