【動画】橋下徹大阪府知事(当時)が提唱した大阪都構想、経緯と論点を解説
[PR]

 大阪市を単純に四つの市に分割した場合、国の基準を元に計算すると、年度当たり218億円のコスト増になると大阪市財政局が試算していたことが分かった。人口が減ってスケールメリットが失われるためだという。財政問題は、大阪市を廃止して4特別区に再編する今回の大阪都構想の住民投票(11月1日投開票)で大きな焦点。松井一郎市長は政令指定市を分けた場合の「計算方法はない」と反論した。

 これまでシステム運営費などに毎年度30億円のコストがかかるとしていたが、今回の試算が明らかになったのは初めて。副首都推進局は「(府と市が都構想案を議論してきた)法定協議会から要請がなかったため」試算していなかったという。コスト増については、都構想に反対する自民党は独自に試算して「年間200億円増える」などと主張する一方、推進する大阪維新の会は「根拠がない」と否定していた。

 自治体の運営に必要な基準財政需要額と呼ばれる算定基準は、行政サービスの内容ごとに全国一律の基準で算出する際、人口や地域の特性による補正をかけて計算している。人が密集する大都市ほど行政サービスの効率が上がるとみなされ、1人あたりのコストが小さくなる補正がかかる。具体的な予算を積み上げたものではない。

 市財政局によると、人口約270万人の大阪市を単純に4分割して約67万3千人の4自治体とした場合、土木費や社会福祉費などの費目ごとに補正の係数が変わるため、合計で7158億円となり、218億円のコスト増になるという。

 市によると、都構想が実現すると、交付税は特別区全域を一つの市とみなし、大阪府とあわせて算定する。現在の府と市への交付税と原則、同額となるという。コスト増分がそのまま収支不足となるかどうかが焦点となる。(笹川翔平)

松井市長「比較できない」

 大阪都構想で大阪市を廃止して四つの特別区に再編した場合、国の基準を元に計算すると、年度当たり218億円のコスト増になるとの試算を大阪市財政局がしたことについて、大阪市の松井一郎市長は26日、反論した。

 大阪市の松井一郎市長は26日、試算について市財政局から報告を受けていなかったとした上で、「218億円は大阪市をそのまま四つの政令指定市にした場合の金額だ」と記者団に反論した。大都市地域特別区設置法に基づく特別区の設置は今回の住民投票で賛成多数となれば初めて。基準財政需要額の算出方法は定まっていないとして「計算方法がそもそもないのだから、比較対象にならない」とも指摘した。

 また、市が担っている広域行政の事務が大阪府に一元化され、コスト減になることも反映されていないとの認識も示した。

     ◇

 この記事の一部に「大阪都構想で大阪市を廃止して特別区に再編した場合」という記述がありましたが、正確には「大阪市を単純に四つの市に分割した場合」でした。訂正します。