保育所にハロウィンの砂像のサプライズ。砂の彫刻家が、クリスマスの小さな約束をハロウィンで果たした。園児は魔法使いが作ったと歓声をあげた。
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 月曜日の朝、青い水平線から潮風が吹き寄せる保育所にかわいい贈り物があった。ハロウィーンを前に、高知県黒潮町上川口の大方くじら保育所に26日朝、魔女の帽子やカボチャお化けでいっぱいの「ハロウィンの砂像」が登場した。見つけた80人の園児たちは「すごい」「魔法使いがつくったんだ」と歓声をあげた。

 砂像は直径2メートル、高さ1・2メートルで、「Happy  ハロウィン」の文字が浮かぶ。魔女が忘れた帽子やカボチャ、古ぼけた館、お化けたちが並ぶ。同町在住の砂の彫刻家 松木由子さん(49)が作った。昨年暮れ、町内のホテルで、松木さんが制作したサンタクロースの砂像を同保育所の園児たちが見学に来た。「大きなサンタだ」と喜ぶ園児と松木さんは「卒園式に砂像を作ってあげる」と約束した。しかし、新型コロナウイルス感染拡大で約束は果たせなかった。園児たちは小学1年生になった。

 心のどこかに申し訳ないという気持ちがあった松木さんは、同保育所の佐野久美所長に「ハロウィーンの季節に子供たちとの約束を果たしたい」と話した。

 園児が保育所に来ない日曜日の25日、松木さんは約200立方メートルの砂を持ち込んだ。サンタの砂像に使った砂だ。砂に水を混ぜて砂像を作り始めた。約4時間でハロウィーンの砂像が出来上がった。園児たちがお化けを描く大きな砂の球も用意した。カナダやフィンランドなど世界の舞台で砂像を作る松木さんは「子どもたちのビックリする顔を思い浮かべて作るのが楽しいです」と笑顔で話した。

 青空が広がる朝、車やバスで次々と保育所に通ってきた園児たちが「ハロウィーンだ」と砂像に駆け寄った。最初に砂像に気づいた弘田侑莉ちゃん(6)は「お化けと魔女の帽子がかわいい。魔法使いが作ったのかな」と砂像を見つめた。この朝、松木さんの姿はなかった。佐野所長は「子どもたちに夢を与えてくれるサプライズです」と話す。80人の園児の手形で作った小さなお化けが「ハロウィンの砂像」を囲んだ。(笠原雅俊)