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 新型コロナウイルスに対応する全自動のPCR検査装置3台が、秋田県総合保健事業団(秋田市)に納入された。全自動の装置の導入は県内で初。3台のうち2台は県北と県南で運用され、従来は全検体を秋田市まで運んでいた作業の負担を軽減できるという。

 県内の1日あたりのPCR検査態勢(行政検査)は、行政機関である県健康環境センター90件、秋田市保健所30件のほか、公益財団法人の県総合保健事業団30件、秋田大病院内に設けられた「PCRラボ」100件など計290件。これに今回の全自動装置が加わると、同時に350件の検査ができる計算になる。

 今回の装置は、精密機械メーカー「プレシジョン・システム・サイエンス」(PSS、千葉県松戸市)が製造。県が補正予算に計上した新型コロナ対策の経費で導入。事業団が運営する県北、県央、県南の施設に1台ずつ配置される。

 県保健・疾病対策課によると、現在、同事業団の検査能力は手動で1日30件。全自動装置は1台で1日20件の検査が可能で、3台が稼働し始めれば、計90件への拡充が実現する。

 これから冬場を迎えると、インフルエンザと新型コロナが同時に流行する可能性がある。事業団は、患者のかかりつけ医からPCR検査を依頼されることを想定し、検査能力の増強を図るためメーカーに発注していた。

 装置の導入で、現在は手作業でしている新型コロナの遺伝子の抽出や増幅などの作業を、試薬の入った密封型カートリッジなどを使って自動的に実施できる。1回の検査は約3時間かかるが、手作業と比べて、職員の負担が大きく抑えられる見込み。事業団は試験運用で能力を確かめたうえで、年内には本格運用を始めたい考えだ。

 またこの検査装置は、PSSの子会社「エヌピーエス」(大館市)が製造するカートリッジを使っており、その試薬も大館市の工場で製造されている。県地域産業振興課は「この検査装置が各地で使われるようになれば、地元での雇用増など県内経済への好影響が期待できる」としている。(佐藤仁彦

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