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 中国のIT大手アリババ傘下の中核金融会社アント・グループが予定している新規株式公開(IPO)での調達額が、計約345億ドル(約3・6兆円)となる見通しになった。11月5日に上場する見込み。2019年のサウジアラビア国営石油会社サウジアラムコによる294億ドルを上回り、史上最高となる。

 アント・グループが27日までに公開した資料で判明した。上海、香港の両証券取引所に上場し、1株当たりの売り出し価格は上海で68・8元、香港では80香港ドルで、いずれも約1080円となる。売り出し価格を元にした時価総額は32兆円を超える。

 アント・グループは中国のフィンテックを代表する企業で、10億人超が利用するキャッシュレス決済の支付宝(アリペイ)や、個人の信用力を数値化するサービスの芝麻(ゴマ)信用などを営む。調達した資金で国外での事業拡大を目指すとみられる。

 ただ米国では、トランプ政権が新たな中国への制裁対象にアント・グループを加えることを検討していると報じられた。中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)などに続き、米中対立の新たな火種となる可能性がある。(北京=西山明宏)