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 養父市は今冬、インフルエンザ感染の判定を自宅でできる「自宅完結型インフルエンザオンライン診療」の実証事業をする。判定キットやテレビ電話を駆使して病院と同様に診察する。新型コロナウイルスとの同時流行による地域医療の崩壊を防ぐための試みだ。

 市は様々な規制緩和を推進する国家戦略特区に指定されており、その一環として取り組む。地域医療の向上に関する連携協定を今年3月に結んだ塩野義製薬(大阪市中央区)が事業全体をサポート。市内の4医療機関が協力する。

 市内では中山間地域に集落が点在し、高齢化も進む。高齢者らの交通手段の確保という課題に加え、医師不足も指摘される。このため特区の事業として、市街地の病院まで行かなくても医師の診察(保険診療)や薬の処方を受けられるオンライン診療やオンライン服薬指導のモデルケース作りに取り組んでいる。

 今回の実証事業は、コロナ禍でのインフルエンザ流行に備え、オンラインによる医療の一連の流れを確認し、有効性を検証する。

 実証期間は12月1日~来年3月31日。モニターとなる市民300人を11月9日まで募集している。条件は20歳以上65歳未満で、私有のスマートフォンやタブレット端末を使って自宅でテレビ電話ができる人。持病のある人や妊娠中の人などは除く。事前説明会への参加や指定の医療機関での問診が必要となる。

 実証事業の流れはこうだ。市民モニターが実際に発熱や体調不良となった場合、指定の医療機関に電話で症状を伝え、オンライン診療の日時を予約。オンライン診療システムで体調や症状に関する質問項目に回答を入力する。

 診療当日にはテレビ電話を介して医師の問診を受け、指示に従って自分でインフルエンザ判定キットを使い、判定結果を画面越しに医師に見せるなどする。

 陽性が確定した場合は、治療薬を自宅で受け取る手続きをし、服薬後の一定期間、電話で医療機関へ経過報告をする。一方、陽性が確定しなかった場合は、医師の判断で来院による対面診療へ切り替えることもある。回復後、医療機関に治療費を支払うとともに、使用済みの判定キットを提出する。

 広瀬栄市長は「オンライン医療が本格化すれば、感染疑いのある人が受診のために外出しないで済む。市中への感染拡大を防げるうえ、医療関係者の負担を軽減し、地域医療の崩壊阻止につながる」と期待する。

 問い合わせは、市役所の国家戦略特区・地方創生課(079・662・3169)へ。(中村幸基)