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 来年度の政府の予算編成をめぐり、小中学校の少人数学級の実現を求める文部科学省と、財務省の攻防が激化している。コロナ下の感染症対策として必要とする文科省に対し、財務省側は「学力への影響は限定的」と否定的な考えを示す。

 「財布を持っている方が強いかもしれないが、負けないためにしっかり闘いたい」。萩生田光一文科相は27日の閣議後会見でこう強調した。

 前日の26日、財務相の諮問機関・財政制度等審議会の歳出改革部会は、文科省が概算要求に盛り込んだ少人数学級の体制整備について議論。学力への影響について「学級規模の縮小の効果はないか、あっても小さいことを示している研究が多い」とし、教職員の定数は「平成以降、児童生徒数の減少ほど教職員定数は減少していない。実質20万人増」などとする見解が示された。部会長代理の土居丈朗・慶大教授は会見で「一律に少人数学級を進めるべきだという意見は大勢でなかった」と述べた。

 これに対し、文科省は27日、ホームページで見解を発表。「現場から感染症対策などの観点から求める声がある」「教職員定数が児童生徒数ほど減少していないのは、特別支援学校・学級に通う児童生徒数の増加によるものが大きい」などと反論した。

 義務教育標準法は、学級の人数の標準は小1で35人以下、小2~中3で40人以下と定めている。文科省は概算要求にあたり、来年度から公立小中学校の全学年を「30人学級」にした場合、教員を8万~9万人増やす必要があると試算し、10年かけて段階的に移行すれば少子化で生じる余剰人員などでほぼ対応できるとしている。萩生田氏は会見で「アプローチが全然違う。60平方メートルの教室に40の机を並べて授業をやるのはもう限界」と訴えた。(伊藤和行)