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 ベトナム戦争などを最前線で撮り続けたカメラマン・沢田教一。優れた報道に送られるピュリツァー賞も受賞した沢田が亡くなったのは1970年10月28日だった。紛争地のカンボジアで何者かに襲われて死亡した。それから50年、彼の魂を次世代に引き継ごうと、生涯を追ったドキュメンタリー映画「SAWADA」が来月3~15日、東京都写真美術館(目黒区)でリバイバル上映される。

 1997年に公開され、沢田と同じ青森市出身の五十嵐匠(しょう)監督(62)が手がけた作品。監督は中学時代に「敵を連れて」という写真を見て以来、沢田という人間を強烈に知りたいと思ってきたという。

 映画では、生まれ育った青森や、戦場カメラマンとして世界に知られる場となったベトナム、最期を迎えたカンボジアをたどる。UPI通信社の同僚や競い合ったライバルであり友人でもあったカメラマンらが登場し、沢田を語る。元UPI通信記者のボブ・ケイラーさんはこう言う。「沢田の写真は常に物語を伝えている。特に人間に対する物語だ。戦争が彼らに何をしたのか、何を意味するのかということだ」

 ピュリツァー賞を受賞した「安全への逃避」で被写体となった2家族5人のその後も描かれる。撮影後もたびたび沢田が家族のもとを訪れて交流していたことが語られる。

 そして世界的な評価を得てからの沢田が求めていたものは――。一様ではない人物像が、さまざまな証言から浮かび上がる。

 カンボジアで取材中に銃撃され、34歳で生涯を閉じた。五十嵐監督は再上映にあたり、「沢田さんが撮った写真は、戦争を描いているというより、『戦争がもたらしたもの』を描いている。ベトナム戦争を知らない世代も増えているなか、それを若い人たちに感じてほしい」と語る。

 料金は1500円(学生料金などあり)。7日午後1時半から、特別シンポジウム「戦争報道の現在(いま) 記録する意味を問う」(五十嵐監督、ジャーナリストの綿井健陽さん、写真家の大石芳野さんが登壇)が開かれる。入場料1千円。(井上恵一朗)