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 大阪市をなくして四つの特別区にわける大阪都構想の住民投票が11月1日に迫った。推進する日本維新の会の狙い、先行する東京都の実態、都構想が新しい大都市のあり方としてふさわしいのか、改めて検証する。

コロナの発表を一元化

 新型コロナウイルスの第1波がピークを迎えていた今春、東京都に次いで感染者が多い大阪府は連日のように記者会見を開いていた。ライブハウスでのクラスターの状況説明、休業要請に応じないパチンコ店名の公表……。全国の都道府県庁の会見とは、大きな違いもあった。

 府内全域の情報を一括して発表していた。コロナ対応の最前線を担う保健所は原則中核市以上の市や都道府県にあり、別々に発表するのが基本。一元化していたのは、政令指定市を抱える15道府県で唯一だった。

 「どちらが先に発表するか」で混乱する地域もあるなか、大阪は管内の検査情報をすべて集約。東京都より2カ月早い3月から市中感染の広がりを示す府内の正確な陽性率を公表した。東京と異なり、民間病院による検査結果も把握していたためだ。

 それによって、政府より先に休業要請の解除基準「大阪モデル」をつくった。府に一元化したのは、維新を率いる松井一郎・大阪市長の思惑もある。次のリーダーを育てようと副代表の吉村洋文・府知事を売りだす狙いだ。吉村知事はコロナ対策に研究成果として論文にもなっていない、うがい薬の利用を推奨。突然、兵庫県との往来自粛を求めて兵庫の反発を買うなどの失敗もあったが、テレビへの露出は増えて知名度はあがった。

最新の世論調査、詳しい結果はこちらから
朝日新聞社と朝日放送テレビが10月24、25の両日に実施した世論調査では、大阪都構想について反対41%、賛成39%だった。

 松井市長の狙いは、大阪都構想のPRもある。大阪市を解体し、四つの特別区に分割して府に権限を集約する制度案だ。行政の「効率化」を訴え続ける維新の党是といえる看板政策で、府と市の「二重行政の解消」をめざす。導入前でも府と市が連携すれば「住民サービスが良くなる」と印象づけることを狙う。

 それに対して、都構想に反対する自民党などは訴える。「府と市の連携で二重行政は解消された。都構想はいらない」

愛知や福岡も「権限争い」

 市区町村のうち、もっとも大きな政令指定市は児童相談所の設置や国道や県道、1級河川の管理などを担う。インフラ整備や観光振興などで都道府県の仕事と重なることで生じる「権限争い」がおきるのは、大阪だけではない。

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