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 この3年半、それ以前に比べて平穏だった名古屋市の河村たかし市長と市議会多数会派との関係が再び悪化し始めた。27日、河村氏は記者会見し、市議会の「委員間討議」制度が、自身が率いる地域政党・減税日本の市議いじめになっていると訴えた。多数会派側は半年後の市長選を挙げ、「選挙目当てのパフォーマンス」と不快感を示す。

 委員間討議は、議員と行政当局との質疑が基本の委員会において、議員同士で質疑できる制度。市議会によると、調査の充実などを図るねらいで、2011年に始まった。

 この日、河村氏は減税日本代表として中里高之議長宛てに、委員間討議は質問を事前通告するなどして準備ができる制度とするよう要望書を出した。減税市議団の集計では、14年度以降、委員間討議は51回あった。質問者の大半は自民市議で、43回(84・3%)が減税市議への質問。最多は当選6回の藤田和秀氏(自民)で22回。藤田氏ら自民ベテランが、時に厳しい口調で質問し、減税市議が答えに窮したり謝罪したりする場面がみられた。

 減税市議団は9月、委員間討議を事前通告制にするか、それができないなら制度を廃止するよう議長に申し入れたが、市議会の過半数を占める自民、名古屋民主、公明の3会派が反対し、当時の減税幹事長が引責辞任した。

 こうした状況から、河村氏はこの日の記者会見で3会派を名指しして、「集団いじめ、集団脅迫だ。減税は2人も体調を崩した」と激しく非難。「当選1期生が急に質問されても答えられん。準備が不十分なら答えないようにせないかん」と、要望に至った理由を説明した。自民ベテラン市議は「政治論争はどこにでもあり、負けたことを制度のせいにすり替えているだけだ。話題をつくって同情を引こうという話だ」と反論する。

 河村氏は、これまでの市長選で議員報酬削減などを掲げて既成政党との「対決構図」を浮かび上がらせ、それを源泉に支持を広げてきた。約4年前は、自身肝いりの名古屋城天守木造化案で市議会と対立。市長選直前に多数会派が賛成に転じて以降、控えめとなっていた両者の対立が、ここへきて再燃した格好だ。(関謙次)