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 今年度に入り、徳島県の南西部を中心に、米軍機の目撃情報が相次いでいる。県によると、県民などから寄せられた情報が過去20年間で最多だった昨年度の計57日を上回るペースで増えている。県や関係自治体は国に対し、米軍機の低空飛行の実態把握など対策を講じるよう求めている。

 県総務課によると、県南部の那賀、牟岐、海陽の3町と県西部の三好市などで米軍機が目撃されたのは、確認中のものを含めて10月22日現在で計33日に上っている。1日で複数の情報が寄せられている事例も少なくない。

 米軍機の飛行には1999年、日本の航空法と同じ最低高度基準が適用され、人口密集地では約300メートル(1千フィート)を最低高度にすることなどで日米両政府が合意した。それ以降、過去最多だった2019年度の同じ時期の計26日を上回るペースで増えている。

 目撃情報の中には、輸送機MV22オスプレイに関するものも数件含まれている。固定翼機に近い速度や垂直方向に離着陸できる利点があるが、開発段階で事故が多発。16年には沖縄県名護市沿岸部で不時着水を試みて大破する事故も起き、在日米軍基地の周辺住民団体から上空飛行に抗議の声があがっている。

 米軍機目撃の多発を受け、県経営戦略部の板東安彦部長と4市町の首長や議会関係者ら約10人が今月26日、広島市の中国四国防衛局を訪れ、国あての要請書を提出した。

 要請書ではオスプレイの住宅地上空の飛行に加え、今年度の特徴として「輸送機の飛行」と「夜間の飛行」が増加傾向にあると指摘。県民の安全・安心を確保するため、日米合意に反する低空飛行訓練を米軍にさせないよう求めた。また国が事前に米軍の訓練情報を把握して自治体に情報提供することや、騒音測定器の設置など国の責任で米軍機の低空飛行の実態把握に努めるよう要求している。

 徳島県南西部は、四国を横断して和歌山県に至る米軍機の訓練飛行ルート「オレンジルート」の通過点になっているとされる。県は毎年度、目撃情報などをもとに米軍機の低空飛行の状況を公表している。(雨宮徹)

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