拡大する写真・図版「南部鉄瓶ゴジラ」=2020年10月28日、岩手県奥州市水沢の「及富」

[PR]

 東宝映画「ゴジラ」の頭部をリアルに再現した「南部鉄瓶ゴジラ」が、日本鋳造工学会のトップ賞「Castings of the Year」に選ばれた。製作したのは岩手県奥州市の鋳物製造「及富」。東宝からも目の位置など細かい注文が付き、試作を重ねた上で完成にこぎつけた。

 同賞は同学会が鋳物業界の発展に寄与した製品を毎年度2点ほど表彰している。28日、同社で表彰した清水一道会長(室蘭工大大学院教授)は「ゴジラのギザギザなどをリアルに再現した高い技術力がある」と評価した。及川一郎社長(68)は「励みになる。(創業)170年でここまでたどり着いた。これからもがんばる」と話した。

 高さ27センチ、奥行き36センチ、幅30センチで、本体約7・8キロ、台座を含めると15・2キロ。お湯を沸かすことができ、鼻から注げる。税抜き100万円。65体限定で発売し、これまでに22体販売したという。

 鉄瓶の製作にあたり、ゴジラに出演した宝田明さん(86)が総合プロデューサーを務めた。及富の菊地章専務(63)によると、東京の取引先の社長がゴジラ製作を勧め、宝田さんに橋渡ししてくれた。ゴジラの繊細な形を再現するため、石膏(せっこう)型にも初めて挑戦したという。菊地専務は「鋳物の伝統と3Dなど先端技術が合体した製品」と強調した。(泉賢司)

拡大する写真・図版受賞した及川一郎社長(中央)と日本鋳造工学会の清水一道会長(左)ら=2020年10月28日、岩手県奥州市水沢の「及富」