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 高知県須崎市の中学3年・植村優人さん(14)が集めた約400点のトンボやチョウの標本展が高知県越知町の町立横倉山自然の森博物館で開催されている。希少な生物を保護するため、ため池の存続も市に求めている「トンボ博士」の自慢の作品たちだ。

 「沖縄のチョウ」「ヤンマの仲間」。植村さんが展示する標本は須崎市や土佐市を始め、県外では鹿児島県の屋久島や種子島、鳥取県など全国各地で採集した昆虫たちだ。

 お気に入りは日高村のため池で採った県の絶滅危惧Ⅱ種「キトンボ」。羽の付け根が黄色く、これまで千匹以上の昆虫を捕まえた植村さんでも、たった1度しか採集していない。

 今年4月、県立森林研修センター情報交流館(香美市)で、初めて個人の標本展を開いたが、新型コロナウイルスの影響で1週間余りで中止になった。話を聞いた博物館の谷地森秀二学芸員が「標本に必要な、いつ、どこで、だれが採集したのかを明確にしている」と絶賛し、個展を企画した。

 植村さんは小学5年から標本作りを始めた。高知市子ども科学図書館の「ネイチャークラブ」で標本を学び、「羽の色がきれいでずっと見ていられる」と、のめり込んだ。クラブの活動は年に数回だったが、毎日のように家の近くや旅行先で網を振った。

 昨年からは環境保全のための「調査」にも取り組んでいる。トンボの採集に行った須崎市安和地区のため池「ジンデン池」が同市の「防災重点ため池」に選定され、廃止の動きがあった。珍しいトンボが多く生息していた記憶があった植村さんは「調査して必要な池だと認識しもらおう」と決意した。

 池に入って生物を採集した結果、約40種類のトンボがため池周辺に生きていることが分かった。「高知県レッドリスト」の絶滅危惧Ⅰ種に選ばれているミナミメダカや、絶滅危惧Ⅱ種のクロゲンゴロウも発見した。

 昨年10月にあった県小中学生科学研究発表会の地区大会でこの調査結果を発表した。今年8月には生物保護団体「高知生物多様性ネットワーク」と共に須崎市に対し、「ジンデン池」の環境を保護する要望書を提出した。市は今年度中に「ジンデン池」を調査し、来年度には撤去する方針だったが、要望を受けて現在は計画を中断している。今後、保護の可否や方法を検討する。

 標本展は11月29日まで。午前9時~午後5時。月曜休館。大人500円、高大学生400円、小中学生200円。問い合わせは同館(0889・26・1060)。(加藤秀彬)

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