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 議会が行う議員処分の是非を、司法はどこまで審査できるのか――。この点が問われた裁判で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は28日、当事者の意見を聞く弁論を開いた。大法廷は新たな憲法判断や判例変更などをする際に開かれるため、今後、判例が見直されることになりそうだ。

 焦点となっているのは、最高裁が1960年に出した判決。地方議会は地方自治法に基づき、議員に対して除名、議会への出席停止、陳謝、戒告の懲罰処分を下せるが、判決は最も重い除名をのぞき「内部規律の問題」だとして裁判の対象外とした。

 訴えによると、宮城県岩沼市の元市議は2016年、少数会派の同僚議員が陳謝処分を受けたことについて「(多数会派との)政治的妥協だった」と議会で発言。多数会派から批判され、23日間の出席停止処分を受けた。「多数会派による処分の乱用だ」として、処分取り消しや減額された議員報酬約28万円の支払いを市に求めている。

 一審・仙台地裁は60年判例に従って訴えを却下した。だが二審・仙台高裁は「報酬減につながる場合は司法審査の対象だ。議会内部の問題といえない」と指摘し、処分の違法性を検討させるため審理を地裁に差し戻すとしていた。

 この日の弁論で、元市議側は「違法な処分を是正しないのは法の支配の放棄だ」と60年判例の変更を主張。市側は判例に従うべきだと反論し、審理は終結した。年内にも判決が言い渡されるとみられる。総務省によると、近年の地方議会による議員処分は年20~30件で、9割超が出席停止以下の処分となっている。(阿部峻介)