【動画】ハクチョウ、夏目の堰などに早くも渡来 千葉・東庄町=斉藤敏一さん撮影
[PR]

 美しく優雅な白鳥が、今シーズンも千葉県東庄町の夏目の堰(せき)にやってきた。堰に来る白鳥のエサ場となる同県旭市の水田では22日に、エサをついばむコハクチョウ52羽が確認された。県内ではここ数年、毎年10月から2月にかけて、コハクチョウを中心に約2千羽が渡来している。中でも、この夏目の堰が県内一の渡来場所だ。

 県内の野鳥を約50年間、観察してきた県野鳥の会の斉藤敏一さん(71)=旭市=らによると、夏目の堰は農業用のため池で周囲約1キロ。もともとはカモで知られていた。コハクチョウは時折、数羽が2、3日滞在する程度だったが、2006年1月に突然大きな群れがやってきたという。同年1月29日には265羽を数えている。このシーズンは日本海側が豪雪となった。その影響らしい。

 その後、白鳥の夏目の堰への渡来は増え、15年2月には1600羽を数えた。18年度は1081羽、昨シーズンは1115羽と、ここ数年は安定して渡来している。堰から1~3キロ離れた田んぼで、稲の落ち穂や二番穂をエサにしている。ほとんどがコハクチョウで、オオハクチョウや亜種のアメリカコハクチョウもいる。多い時にはオナガガモやマガモなども約1万羽おり、堰は鳥でいっぱいになるという。

 18年11月には足輪が付いたコハクチョウ2羽を確認した。山階鳥類研究所に照会したところ、ロシアの北極圏にある繁殖地で付けたものと分かった。直線距離で約4千キロ離れていた。

     ◇

 県内に白鳥が多数、渡来するようになったのは実は1990年代からのことだ。県野鳥の会の布留川毅さん(69)=同県いすみ市=の話では、環境省のガンカモの渡来調査が始まった69年度からしばらくは、数羽が来る年と来ない年を繰り返していたという。

 2000年度ごろから100羽を超えるようになり、14年度には約2800羽が渡来。16~18年度には約2千羽がやってきた。昨年度はガンカモ調査はまだ暫定値だが、2180羽だった。

 長年、県内の白鳥の渡来地として広く知られてきたのが印西市の本埜地区。92年に6羽が飛来して以来、年々増えていった。地元の小学生や地域の人たちによる保護活動が続いている。地元の人たちの観察では昨年度は823羽を数えた。

 現在3番目の渡来数なのがいすみ市。ここも東庄町と同じく05年に突然21羽が飛来して以来、毎年渡来するようになった。夜は山あいのダム湖にいて、昼は上布施・下布施地区の田んぼでえさを取っている。

 布留川さんは昨年度、123羽を観察した。東庄町でも見られる傾向だが、年々渡来するのが早くなっており、今年も10月14日に2羽が渡来したとの情報が寄せられた。

 このほか、白井市の七次川調整池にはオオハクチョウが渡来、19年には42羽を数えた。

 また、手賀沼にはコブハクチョウがいるが、県野鳥の会では、人由来の外来種と判断し、千葉県の鳥には入れていない。(稲田博一)

関連ニュース