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 京都市で排出されるごみの量が昨年よりも減っている。新型コロナウイルスの影響で自宅にこもる人が増えたためとみられている。ただ、市が設定した今年度のごみの量にまで抑え込めるかは、何とも言えない状況だ。市は市民に協力を呼びかけている。

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 市によると、今年4~9月の半年間に出たごみの量は、前年同期比で1・2万トン減の19・5万トンとなった。休業要請や観光客の激減の影響で、店やホテル、会社などからの事業系ごみが19%減ったためだ。

 一方、家庭から出るごみは4%増えた。特に多かったのが、緊急事態宣言が発令されていた5月。缶・びん・ペットボトルが14%増、使い捨てプラスチック容器や包装のごみが9%増となった。可燃ごみも約9%増えた。外出を控え、飲食店からのデリバリー(宅配)や自炊が増えたためとみられる。

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 ごみが減っているとはいえ、喜ぶには早い状況だ。

 市は、今年度のごみの量を39万トンに抑える目標を立てている。ピークだった82万トン(2000年度)の半分以下にしようと、15年に策定した。単純計算では、今年度は約39万トンと見込めるが、市の担当者は「年度後半にかけて観光客や経済活動が戻り、ごみが増える」と警戒する。

 ごみが減らなければ実害が出る恐れもある。いま稼働している四つの清掃工場が今後、改修や廃止を迫られ、2工場だけで処理せざるを得ない時が来るためだ。いずれ焼却量を35万トンにする必要があるという。

 これまで、市は「しまつのこころ条例」を作って、可燃ごみや缶・びん・ペットボトルなどの分別を市民に義務づけるなど、減量に成果を出してきた。だが減量のペースは年々鈍っており、19年度は前年度比0・2%減の約41万トンだった。

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 目標達成のカギの一つは「食品ロス」だと、市は考えている。まだ食べられるのに、賞味期限が切れたり、食欲が湧かなかったりといって捨てられた食品は、18年度の市の調査でごみ全体の約2割を占めていた。

 市内で出る食品ロスは、00年度のピークに9・6万トン。市は今年度に5万トンまで減らす目標を、15年に全国で初めて設定し、取り組んでいる。例えば、市内で食品ロス削減に取り組む「食べ残しゼロ推進店舗」約1600店のうち179店舗で、景品が当たるスタンプラリーを来月末にかけて開催中だ。

 食品大手「ミツカン」(愛知県)と共同で、野菜などの食材を使い切る「もったい鍋」のガイドブックも発行した。キノコや水菜、ひき肉など、調理で余りがちな食材を使い切って鍋料理にしてもらうのが狙いだ。

 リサイクルも推進している。

 7月には、「リユース食器」(回収して再利用できる食器)に切り替えて使い捨て容器の削減に取り組む飲食店に、最大10万円を助成する制度を始めた。今月からは、家庭の古紙や紙パックなど資源ごみ18品目を集める「移動式拠点回収」の場所を、約400カ所に倍増させた。

 市ごみ減量推進課は「家庭や事業所での分別を引き続き徹底して、ごみを減らすことに協力してほしい」と話している。

 ごみ削減は来年度以降も進められる。来年3月に策定される次期10年間の新計画のため、今月7日に市廃棄物減量等推進審議会が門川大作市長に提言した答申書には、30年度のごみの量を37万トンに、食品ロスを4・6万トンに抑えるといった数値目標が盛り込まれた。また、自然由来の材料を使った製品を推進するなどして資源循環に力を入れ、温室効果ガスの抑制につなげるとしている。

 ごみ問題に詳しい東洋大名誉教授の山谷修作さん(71)は「京都市は早い時期から家庭ごみ有料化の導入や、食品ロスの削減目標値の設定など、ごみ行政が進んでいる。市民の意識も高い」とした上で、「生ごみの比率はまだ高い。啓発が届きにくい旅行客や若年層へのアプローチを続けることも重要だ」と指摘している。(向井光真)

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