パリ=疋田多揚、イスタンブール=高野裕介
仏風刺週刊紙シャルリー・エブドは28日の発売号で、トルコのエルドアン大統領の風刺画を1面に掲載した。トルコ側は「法的かつ外交的行動に着手することになる」として反発している。仏トルコ両国の首脳がイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画をめぐって激しく対立するなかでの発売となった。
風刺画は、下着姿のエルドアン氏が、スカーフを巻いた女性のスカートをめくり、預言者に向けて呼びかけているもの。「エルドアン 私生活ではとても愉快な人物だ」との見出しをつけている。
トルコ大統領府のカルン報道官はツイッターで、「個人の人権を攻撃することは、ユーモアでも表現の自由でもない。これら出版物の狙いは、憎悪と敵意の種をまくことにある」と非難した。
ムハンマドの風刺画や、過激派対策を理由としたイスラム教規制を強めるマクロン仏大統領に対しては、中東のイスラム諸国で反発が広がっており、エルドアン氏はその先頭に立ってきた。26日にはテレビ演説で「仏製品を買わないように求める」と国民に呼びかけたほか、24日にはマクロン氏に向けて「精神の治療が必要だ」などと発言し、仏政府が抗議していた。
両国は、アルメニアとアゼルバイジャンの紛争や、天然ガス資源の争奪が激化する東地中海、北アフリカのリビア情勢をめぐっても対立しており、溝はさらに深まりそうだ。(パリ=疋田多揚、イスタンブール=高野裕介)
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朝日新聞国際報道部