第7回トランプは俺たちを裏切った 白人ナショナリストの憤慨

有料記事アメリカ大統領選2020

機動特派員・金成隆一

連載「トランプ王国 あれから4年」

前回のアメリカ大統領選ではトランプを熱心に支持した人もいれば、迷った末に投票した人もいた。あれから4年。かつてトランプに1票を投じた人に聞いてみた。今年も彼を支持するのですか? トランプ支持者の声から現代アメリカの姿に迫る連載の7回目。

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 4年前のアメリカ大統領選でトランプを熱心に支持した白人ナショナリストたちはどうしているだろう。電話をかけると、やっと1人につながった。

 「伝統主義労働者党(Traditionalist Worker Party)」の幹部マット・パロット(37)。

 差別団体を監視する「南部貧困法律センター」はこの団体について、「ネオナチのグループで単一人種(racially pure)の国家やコミュニティーを提唱し、国際社会の諸問題をユダヤ人のせいにしている」と説明する。米メディアは、「白人ナショナリスト」のほか「極右」や「白人至上主義」などと形容する。2018年に内紛や幹部逮捕を経て解散した、と報じられている。

 前回の大統領選で、この団体はトランプを支持し、集会から反対派を追い出すなどの「援護」を買って出た。選挙後に私が取材に行くと、創設者は「トランプは選挙戦でナショナリズムに訴えて勝ち、私たちが勢力を広げる余地を示してくれた。人々がナショナリズムを重視していることを証明してみせた」(2017年のインタビュー)と総括し、石炭業が衰退したアパラチア山地や製鉄業が廃れたラストベルト(さびついた工業地帯)など、長年「アメリカの繁栄から取り残された」との不満をためこみ、トランプを強く支持した地域で会員の勧誘を活発化させる方針を示した。

 その一環で、彼らが2017年4月に集会と懇親会を開いた。トランプの大統領就任から3カ月という時期。懇親会で、私はパロットに出会った。

 会場は、アパラチアの山奥に位置するケンタッキー州レッチャー郡。ここが開催場所に選ばれた理由は明快だった。

 「住人の98%超が欧州系白人」

 「子どもの3人に1人、高齢者の5人に1人が貧困層」

 「トランプ氏の得票が8割を超えた」

 そう集会の案内に明記されていた。

 この取材で、私は参加者ら1…

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