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 トランプ米大統領を政権幹部が匿名で批判して論争になったニューヨーク・タイムズ紙への寄稿について、国土安全保障省の首席補佐官だったマイルズ・テイラー氏が28日、自身が筆者だったと名乗り出た。テイラー氏は大統領選で民主党のバイデン前副大統領支持を表明しており、選挙直前のタイミングで名乗り出ることで議論を再燃させる狙いがあるとみられる。

 18年9月に掲載された寄稿は「多くの高官たちがトランプ氏の政治課題と最悪の考えを懸命に阻止しようとしている」などと批判。政権内部からの告発として注目を集める一方、トランプ氏は「国家反逆罪だ」などと激怒し、筆者を突き止めるよう調査を求めていた。ニューヨーク・タイムズが重大な内容の主張を匿名で掲載したことの是非も議論になった。

 テイラー氏は共和党支持者で、2017~19年に同省に勤務。退職後はメディアやSNSでトランプ氏への批判を強めていた。テイラー氏は28日の声明で「匿名で出したことで、筆者への個人攻撃ではなく、内容そのものへの大統領の反応を引き出せた」としつつ、ほかの政権当局者に対して「今こそ明るみに出すときだ」などと政権の内幕を証言するよう呼びかけた。

 マクナニー大統領報道官はこれに対し、「階級が低く、不満を募らせたこの元当局者はうそつきであり、臆病者だ」などとする声明を出した。(ニューヨーク=鵜飼啓)