拡大する写真・図版政策研究大学院大学を中心とする有識者グループが政府に提出した政策提言=10月29日

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 政策研究大学院大学を中心とする産学の有識者グループが29日、菅内閣への外交・安全保障政策の提言を政府に提出した。台頭する中国と平和的に共存することを目指し、菅義偉首相が掲げる「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)を官邸主導で進める行動計画を作るよう求めた。

 提言では「中国がコロナ禍で米国の混乱に乗じ覇権主義的行動を激化」とする一方で、「日中の経済相互依存は深い」と指摘。政府に対し、米ロの中距離ミサイル軍縮や、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)などに中国を巻き込む努力を要請した。

 FOIPの諸政策を政府一体で実現する「具体的戦略がない」と言及し、国家安全保障戦略を見直してFOIPとの関係を明記することも提案した。さらに官邸主導で行動計画を作り政策の優先順位を定めたうえで、予算を確保し産業界とも連携することを求めた。

拡大する写真・図版「インド太平洋協力に関する日本政府への政策提言」を鷲尾英一郎外務副大臣(右)に渡す、田中明彦・政策研究大学院大学学長=10月29日午前、外務省

 同大の田中明彦学長は提言後の記者会見で「FOIPを肉付けし中国と共存する枠組みを作るには安全保障に加え経済、文化などで取り組みが必要で、一つの省庁では実現できない」と強調。提言作成にオブザーバー参加した外務省は「時宜を得た提言で、有効に活用したい」としている。(編集委員・藤田直央