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 来年9月に予定される自民党総裁選に向け、岸田派(宏池会)の名誉会長を辞任する意向の古賀誠・元幹事長は、菅義偉首相や岸田文雄前政調会長とどう距離を取っていくのか。古賀氏は28日、東京都内で開かれた講演会で心境を語った。

 古賀氏がまず期待を寄せたのは、菅氏だった。

 コロナ禍や米中対立などを挙げ、「何かあればしぼんでしまうような総理だったら絶対に乗り越えられない。(菅氏は)いろいろな苦労を乗り越えてきた」と評価した。来秋の総裁選で菅氏が再選し、安定政権を築くことへの期待も示した。

 古賀氏は「土のにおいがする総理が誕生したというのは本当に久しぶり。非常にうれしい」と強調。「しっかりとした安定政権を作りあげて頂く。それには宏池会も全面的に応援するということだろう」と述べた。

 一方、関係悪化も指摘されていた岸田氏について、古賀氏は「宏池会のエース。岸田政権を絶対に作らなきゃいけない」と語った。ただ、古賀氏は「いまこの時代の指導者、誰かっていうことになったら僕はやっぱり、つくしの坊やで育った人より雑草の中で育った人が向いているんじゃないか」と述べ、いまの難局を乗り切ることができるのは、岸田氏ではなく、菅氏の方がふさわしいとの考えを示した。

 古賀氏は続けて、「だけど、そうかといって宏池会のこの大切なエースをこのままうずもらせていいのかって言うと、そうはいかない」とも述べた。

 古賀氏にとって悩ましいのは、岸田政権誕生に向けて、自分の存在が必ずしも「援軍」ばかりになるわけではないということだ。

 岸田氏は総裁選を見据え、派閥としては同じ源流をもつ麻生派を率いる麻生太郎副総理兼財務相からの支援も期待する。

 しかし、古賀氏と麻生氏は地元・福岡の選挙などでこれまで対立してきた経緯がある。古賀氏は、岸田氏に名誉会長を辞める意向を伝えたことを認めたうえで、「いつまでも表に出るのっていうのは良いこともあるけど、悪いことの方が多くなってきた」と説明。「どんどん岸田さんを板挟みにして苦しめる」とし、「岸田政権を実現するために(古賀氏自身の存在の)リスクは大きいなと思ったらやめるべきである」と語った。(笹井継夫