大豆に価値を見い出す世界 フードテックが救う大量廃棄
新型コロナウイルスの影響で、10月11~15日にオンラインで開催された国際シンポジウム「朝日地球会議2020」(朝日新聞社主催)。コロナ危機と文化や循環型経済などについて討論した様子を、アーカイブ動画とともにお届けします。
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食品業界はこの数年、IT業界などから技術や資金がどんどん流れ込み、食の風景が様変わりし始めている。「フードテック」と呼ばれる新しい領域だ。
これには、食品廃棄を減らすためのデータ活用から、個人の体質や好みにあった食材の提案、地球環境に優しい食品の開発、販売や配送に至るまで、食にまつわる幅広い技術革新を含んでいる。
日本は流れにやや出遅れたとの見方もあるが「フードテックの元祖は日本企業だった」と米ベンチャーキャピタル「スクラムベンチャーズ」の外村仁さんはいう。
たとえば、食品素材メーカーの不二製油グループは、創業時から将来の人口増加や食糧不足を見込み、50年以上大豆を使った食品の開発を続けてきた。同社の山田瑶さんは「大豆チーズや大豆ミートなど、海外では反響が大きい」。しかし、消費者が価値を見いだし、選ばなければ意味がないのも現実だ。大豆事業も利益が出ない時期が続いたという。
ニチレイの関屋英理子さんは、時代の変化で冷凍食品への見方が変わったという。かつては、手を抜いたようなマイナスの印象もあったが、「多くの女性が働く時代には、手軽においしく、安全に食べることが重要になった」。
最近では、個々の好みをより…
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