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 ドングリがなる木の葉が突然、枯れてしまう「ナラ枯れ」の被害が神奈川県内で広がっている。現状を知ってもらいたいと、横浜市の造園会社が市民らから被害の情報を集め、ウェブサイトの地図で公開する「ナラ枯れマップ」づくりを始めた。

 ナラ枯れマップに取り組むのは、横浜市栄区の石井造園(石井直樹社長)。きっかけは、社員らが「市内で今夏、ナラ枯れが爆発的に増えている」と感じたことだった。

 県などによると、コナラやミズナラなどの葉が赤褐色に枯れるナラ枯れは、全国的には2010年度をピークに減少傾向にあるが、県内では17年8月に箱根町や三浦市で初めて確認され、17年度に5市町239本、18年度に18市町1392本、19年度に21市町1844本と被害が年々広がっている。

 石井造園は18日、同社が管理運営にかかわる市の施設「上郷・森の家」(栄区上郷町)で、マップづくりに向けたキックオフイベントを開催。親子連れなど約40人が参加し、ナラ枯れの原因や防ぐ方法などを学んだ。今後、市内各地でナラ枯れを見つけたら、情報提供してもらう狙いだ。

 講師は、同社造園部長で樹木医でもある佐藤一将さん(40)。幹が太く古い木にナラ枯れを起こすカシノナガキクイムシが繁殖しやすいことなどを座学で伝えた。その後、近くの森林を散策し、葉が赤茶色になったコナラなどを実際に見て回った。ドローンを飛ばし、上空から撮影した映像も眺めた。

 参加した同市磯子区の小学2年、境麻琴(さかいまこと)さん(8)は「虫のせいで木が枯れるなんて」とびっくり。父の領太さん(36)も「ナラ枯れという問題があること自体、知らなかった」と驚いていた。

 同社は参加者に限らず、ナラ枯れの写真や撮影場所の情報を募り、マップに反映させる。佐藤さんは「ナラ枯れがどこまで広がっているか、分布を知ることができる。これを機会に市民らが森のことに関心を持ってもらえれば」と話す。

 マップは11月中に同社のホームページで公開する予定。情報や問い合わせはメール(info@ishii-zouen.co.jp)で。(武井宏之

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 県などによると、ナラ枯れは体長5ミリほどのカシノナガキクイムシ(カシナガ)が媒介する伝染病。カシナガがコナラやミズナラなどの広葉樹の幹に集中的に入り込み、体に付いた「ナラ菌」が広がると、樹木が水を吸い上げる機能を失う。その結果、夏の暑い時期に突然、葉がしなびて赤茶に変色する。森林の景観を損なうだけでなく、倒木による家屋や道路への被害につながる危険もある。

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