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 国内外の名作を子どもたちに届けてきた岩波少年文庫が、12月で創刊70年を迎えます。同文庫にも収録されている「ガンバの冒険」シリーズの著者で、元福音館書店編集者でもある斎藤惇夫さん(80)は、「岩波少年文庫を通して知った心の高まり」が、子どもの本作りの指針になったと語ります。

「こんなことしてはいられない」会社辞め本の世界へ

 創刊した1950年は、僕は10歳。新潟県の長岡に住んでいました。クリスマスに最初の5冊が届いて、初めて読んだとき、天地がひっくりかえったような感じがしました。外で遊ぶのと同じように、本の中に面白い世界があって、日常で体験できないような、すごく遠く、深いところまで行ける。物語ってこんなに面白いんだと教えられました。

記事の後半に、岩波少年文庫の歴代人気ランキングがあります。果たして1位は……

 1950年というと、朝鮮戦争が始まった年です。やっと戦争が終わったのに、隣の国でまた戦争が始まってしまったという恐怖のなか、岩波少年文庫の物語は、世界に希望はある、未来は必ずある、ということを感じさせてくれました。

 20代のときは、ある電機関連の会社に勤めていました。軍需関係の仕事で失敗して、こっぴどく怒られ、「もう辞めよう」と思いながら銀座を歩いていたときに、書店の「教文館」で、2冊の本に出会いました。

 1冊は「エルマーのぼうけん」で、もう1冊が「いやいやえん」。「いやいやえん」の中川李枝子さんの文を読んで、「岩波少年文庫の文体をものにしている作家が現れたんだ!」と、ものすごく感動しました。湿っぽさがなく、からっとしていて、ありのままの子どもを捉えていた。「こんなことをしてはいられない」と、勤めていた会社を辞めて、子どもの本の編集者になりました。

 自分が本を編集するうえで考え…

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