絶望しかない?「友か敵か」欧米のポピュリズム、日本は

有料記事アメリカ大統領選2020

聞き手・高久潤
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 何を変えたかと問われれば、何よりも政治のモード(潮流)だ――。4年前にアウトサイダーから米国大統領になったトランプ氏を、そう評するのはポピュリズムに詳しい政治学者の吉田徹さんだ。「分断・分極」は米国固有の問題ではなく、いまや政治を形容する定型句になった。その源泉は何か。欧米を席巻したポピュリズムはどこに行き着くのか。吉田さんに聞いた。

 ――トランプ政権の1期目で、何が変わりましたか?

 「政策でもってではなく、存在感で政治のモードを変えた。これが一番大きいと思っています。あれもありなのかと、大統領自ら率先して常識を打ち破っていく。『トランプは伝染する』という言い方があります。アメリカ社会の分断に寄りかかって、相手をののしり、なりふり構わずたたきのめそうとする。友か敵かの対立を先鋭化させました」

 「もちろん、メキシコからの不法移民を阻止するための壁を国境につくったり、イスラム教徒の入国を禁止したりする大統領令を出すなど、関心を集めた政策も多かった。ただ、政策や制度レベルでの具体的な実現は、三権分立が徹底しているアメリカでは意外に難しかった。もちろん気候変動をめぐるパリ協定からの離脱、イラクからの撤退、そして新型コロナ禍でのWHO(世界保健機関)からの脱退の決定はあります。しかしこれらの動きは、トランプ氏個人によるというよりも、米国のヘゲモニー(覇権)の衰退という長期的な傾向の延長線上にあります」

 「実際オバマ政権時にも、米国はユネスコパレスチナの加盟を承認した際、拠出金を止めました。衰退する米国が世界的な『公共財』を提供する力を失い、そのコストに耐えられなくなった。歴史学者ウォーラーステインが指摘していた100年単位の覇権の変化の流れです」

 ――考え方の違いで対立し、時にそれが過激になっていくのは政治の宿命のようにも思えます。

 「そうですね。かつて192…

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