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 漫画家の手塚治虫さんや藤子不二雄(A)さんら多くの漫画家が駆けだし時代を過ごし、「伝説のアパート」とも称された木造2階建てアパート「トキワ荘」。そのトキワ荘を再現した「トキワ荘マンガミュージアム」(東京都豊島区)で30日、新たな企画展が始まった。式典には藤子さんも参加し、当時の思い出を語った。

 今回開かれるのは、トキワ荘の漫画家仲間から「テラさん」の愛称で慕われていた寺田ヒロオさんの作品展だ。新潟県出身で、高校卒業後に地元で就職したが、漫画家への夢が断ちがたく、1953年に上京。同年の大みそかにトキワ荘に入居した。「背番号0」「スポーツマン金太郎」などの作品を手がけ、92年に亡くなった。

 式典で藤子さんは自作の人気漫画「忍者ハットリくん」をあしらったマスクを着けてあいさつした。「毎日のようにテラさんの部屋に集まって、映画の話をするのが楽しくて。サイダーに焼酎をたらしたチューダーを飲んでね。本来はライバルなのに、トキワ荘の仲間はお互い嫉妬せず、誰かが売れると一緒に喜び競い合っていた」

 10月30日は、くしくも藤子さんがトキワ荘に入居した日。寺田さんが入居した翌年の54年だった。藤子さんは「トキワ荘での5年間は僕にとって大きな青春の思い出。特にテラさんとは三つしか違わないのに、アニキというよりお父さんみたいに面倒を見てくれた。当時は家賃3千円が払えず、テラさんの方から心配して貸してくれた」と振り返り、笑いを誘った。

 「トキワ荘のアニキ 寺田ヒロオ展」は来年1月11日まで。入館には事前予約が必要。詳しくはホームページ(https://www.tokiwasomm.jp/別ウインドウで開きます)へ。(川口敦子)