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 首都圏に住む秋田ゆかりの人と秋田の食べ物を提供するお店をつなごうと、WEBマップをつくり、SNS上でコミュニティーを立ち上げた人がいる。故郷の食を通じ楽しみながら交流することで、関係人口の増加や地域経済の活性化に貢献するのが目標だ。

 「秋田居酒屋探訪」、略して「あきたいざたん」をフェイスブックやインスタグラムなどで運営するのは、湯沢市出身で都内在住の会社員高橋純一さん(44)だ。秋田の郷土料理を出したり、出身者が経営したりしている秋田ゆかりの居酒屋や喫茶店をホームページで公開している。

 きっかけは2018年元日、「暇を持てあまして」ふと、県ゆかりの居酒屋が首都圏に何店あるのかネットで調べたことだった。70件ほどヒットしたため、マップを作成。閲覧者に情報を呼びかけたところ、さらに約100店集まった。

 秋田の食の魅力や文化を多くの人に知ってほしいと、名物「ババヘラアイス」の写真をインスタグラムなどで投稿する企画も立ちあげた。そんな活動が評価され、同年10月に「湯沢市ふるさと応援大使」に任命された。

 その他にも、SNSでつながった人たちに定期的に参加を募って秋田ゆかりの店で飲み会を開いたり、「七夕絵どうろう」のオンライン写真展を開いたりと、首都圏で秋田を盛り上げる活動を続けている。

 今夏には「婚活部」を発足させた。秋田の食材を扱う都内のイタリアンレストランで婚活パーティーを開き、お酒を飲みながら県出身者らが交流したという。

 10月現在、高橋さんらがリサーチした秋田ゆかりのお店は、全国で268店にのぼる。インスタグラムのフォロワーは2700人、フェイスブックのグループ参加者は1400人を超えた。

 若い頃は仕事が忙しく故郷を顧みることもなかったが、年齢を重ねるにつれ、秋田の山の景色やハタハタなどを懐かしむ思いが強くなってきた。飲み会では、地元の両親が亡くなり親戚との縁も薄れ、「帰る場所がない」と話す人もいる。「県出身者と話せて良かった」と声をかけられることもある。生まれ故郷とつながりを持っていたい――。その思いが、高橋さんを動かしている。

 「ふるさとを離れても地元に貢献したいと思っている人は多い。地方ゆかりのお店が活気づくことで、地方経済が元気になれば」と高橋さん。いずれ山形や青森など全国各地の「いざたん」を作るのが目標だ。(大坪実佳子)

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