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 徳島県内の高校生の文化の祭典「第39回県高校総合文化祭」が31日から11月8日まで徳島市のあわぎんホールを主会場に開かれる。新型コロナウイルスの影響で部活動の制限や大会の中止が相次ぐ中、高校生が日頃の鍛錬の成果を発表できる場を確保しようと、感染防止対策を講じたうえで開催されることになった。生徒たちは、高校の文化部に外部講師がオンライン指導する県の支援事業も活用しながら、練習を重ねて準備している。

 県高校文化連盟によると、美術や書道、写真などの展示は例年より規模を縮小して一般公開される。音楽や郷土芸能、将棋などは保護者や学校関係者への限定公開になる。放送部門や小倉百人一首かるたは無観客で実施する。演劇部門は延期となり、茶道部門は開催を取りやめた。

 県立海部高校(海陽町)の郷土芸能部は1、2年生8人。31日の県高校総文祭での演奏に向けて、練習を重ねてきた。

 部員たちは郷土芸能「海南太鼓」を継承しようと、地域の祭りのほか、老人ホームや幼稚園などを訪ねて太鼓の音を響かせてきた。だが、今年はコロナ禍で人前で演奏する機会が相次いで中止になった。

 部長の山戸亜歌音さん(2年)は小学4年の時に海部高生の演奏を見た。力強い姿に「かっこいい」と憧れ、海南太鼓を学び始めたという。「今年はお祭りもなくて見てもらえなくて」と残念がる。

 8月、オンライン開催となった全国高校総合文化祭の郷土芸能部門に県代表としてウェブ参加した。引退を控える3年生と一緒に一つ一つの音に集中してオリジナル曲を演奏した。

 県高校総文祭は観客が保護者らに限られるものの、反応や手応えをその場で感じられる舞台になる。

 部員たちは今月21、28日、県の支援事業を活用し、地元出身でオーストラリアに住む太鼓演奏の指導者、東谷菜穂さん(32)からオンラインで指導を受けた。「もっともっと音を鳴らして」「ためをつくって」。8人は助言を受けてしっかり足を踏ん張り、切れのある音を響かせた。

 山戸さんは「心が引き締まった。大きいホールは響きも違う。気合を入れていきたい」と話していた。

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 県立板野高校(板野町)の音楽部は1、2年生14人。吹奏楽を主体に活動しており、ほとんどの部員が入学後に楽器を始めた。

 今月22日、クラリネットの2人が、大阪と学校を結んだ県の支援事業のオンライン指導を受けた。

 「音を心の中で歌うことが大事」。講師を務めた大阪フィルハーモニー交響楽団クラリネット奏者、船隈慶さんが、実演で手本を示しながら息の使い方などを丁寧に指導した。2人は「音色が変わった」と手応えを感じていた。

 今年はコロナ禍で演奏会やコンクールが相次いで中止になった。学校の文化祭も1年生の生徒にだけ聴いてもらった。

 11月1日の県高校総文祭では、保護者ら限定となるものの、観客の前で演奏ができる。

 部長でサクソフォン担当の牧野初音さん(2年)は「聴いてほしい人に聴いてもらえるので、みんな張り切って練習している。練習の中で成長していて、まとまりを感じるようになった」と話した。(斉藤智子)

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