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 東京都日野市立病院の院長相談役だった河内久男・元副市長(78)の違法兼業問題で、兼業先の川辺堀之内土地区画整理組合が、同氏らが所得税の減免措置を受けられるように架空書類を作ったことについて、組合側が、作成に関与した関係者の刑事告訴を検討していることがわかった。当初、組合は調査に協力的でなかったが、市の指導などもあり、真相究明に協力する立場に転じている。

 市によると、土地区画整理事業を行う自治体や組合は、建物を移転させた所有者に補償金を払い、「公共事業用資産の買取り等の証明書」と呼ばれる書類を発行する。受け取った人は確定申告で税務署に証明書を出し、要件を満たせば税控除が受けられる。

 市が29日に公表した報告書などによると、組合はこの制度を悪用し、2017~19年度、理事長相談役だった河内氏を含む役職員ら15人に「特別損失補償」の名目で計6174万円を払い、証明書を延べ51通発行した。同氏の補償は2729万円で突出していた。

 河内氏らは事業予定地に不動産を持っておらず、本来、補償金を受け取ったり、税の減免を受けたりする立場になかった。特別損失補償は、組合からの報酬にかかる税負担分を補塡(ほてん)するためだったという。市は実態のない架空の証明書だったとみている。

 証明書を受けた15人のうち、河内氏が8通、6人が15通を税務署に提出。同氏が税の減免を受けたかどうかは確認されていないが、6人は受けなかった。残る28通は紛失などのため税務署に提出されなかった。

 この問題は29日の市議会本会議で取り上げられた。「文書を偽造して税金を安くしようとした。違法行為だ」との指摘に、市側は「組合側も刑事告訴の検討をしている」と述べた。河内氏以外の6人は税務申告の訂正手続きを取っているが、河内氏については分かっていないという。(佐藤純)

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