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 菅義偉首相が2日午前からの衆院予算委員会で、初めて一問一答形式での論戦に臨んだ。日本学術会議の会員候補6人を任命しなかった問題などをめぐり、野党の追及にどうこたえるのか。タイムラインで速報し、記者が解説します。

寸評=安倍龍太郎記者

説明になっていない首相発言、答える気ない?

 日本学術会議が推薦した会員候補6人は、なぜ除外されたのか。一問一答の論戦により、この問題の実態が少しでも明らかになることを期待したが、菅首相は「人事」を理由にかたくなに説明を拒み続けた。質問と答弁がかみ合わなくてもお構いなし、という姿に映った。

 この日、明らかになったのは除外された6人のうち、東京大の加藤陽子教授以外は、問題が起きる前に菅氏は「承知していなかった」ということだ。除外理由については「政府の法案に反対したから、ということはあり得ない」と批判を打ち消そうとした。

 だが、何度質問を受けても「旧帝大など出身大学に偏りがある」「閉鎖的で既得権のようになっている」などと抽象的な言いぶりに終始した。除外された6人の中には、学術会議の会員がいない私大の研究者も含まれ、首相の発言は説明になっていない。

 「なぜこうした人を外したのか」と問われても秘書官から差し出されたメモを下を向いて読み上げる場面が目立ち、「人事に関すること」を盾に回答を避け続けた。正面から質問に答えない姿は、官房長官時代の東京高検検事長人事や「桜を見る会」の対応を思い起こさせた。

 首相に近い官僚からは「せっかく高支持率でスタートできたのに、こんなことでダメージを受けるとは残念だ」との声も漏れるようになった。6人除外への国民の疑問について、菅氏は答える気などないのではないか。自身が口癖としている「国民から見て当たり前」とは、ほど遠い姿勢に思える。

17:00

予算委員会、散会

 衆院予算委員会が散会した。

16:35

「河井夫妻に辞職勧告を」に、首相は明言避ける

 立憲民主党の奥野総一郎氏は、昨年7月の参院選広島選挙区をめぐる買収事件で公職選挙法違反の罪に問われた元法相で衆院議員の河井克行被告と妻で参院議員の案里被告=いずれも自民党を離党=の名前を挙げ、菅義偉首相の「側近中の側近」と指摘。その上で首相に対し、「辞職を勧告されたらどうか」と迫った。首相は「公判に影響を与える可能性がある」として明言を避けた。

拡大する写真・図版衆院予算委員会で、立憲民主党の奥野総一郎氏(左)の河井夫妻問題についての質問を聞く菅義偉首相(右)=2020年11月2日午後4時35分、国会内、上田幸一撮影

 奥野氏は疑惑が報道された昨秋以降、河井夫妻が国会の大半を欠席していることを指摘。案里氏が立候補した昨夏の参院選で、党から夫妻に政党交付金を含む1億5千万円が振り込まれていたことにも触れ、「国会に全然出て来られないような議員を当選させてしまったかもしれない。究極の無駄だ」と強調した。

 これに対し、首相は「我が党所属であった現職の国会議員が逮捕・起訴されたことは誠に残念」と述べるにとどめた。奥野氏は「総理は身内に甘い。側近だったわけですから、菅義偉個人として辞職を勧告すべきだ」と主張した。

16:25

休業支援金制度へ提案、厚労相は応じず

 新型コロナを受けた雇用問題にからみ、立憲民主党の川内博史氏は休業支援金制度の問題点について追及した。

 この支援金は、新型コロナのために仕事を休んだのに、会社から休業手当を受け取れないという中小企業の働き手に支給される。ところが、会社都合による休業であることを会社が認めなければ支給されない仕組みで、支給のネックになっているのだ。

 働き手に代わって労働局が会社に確認することもしているが、シフト制のバイトや1日単位で雇われる働き手の場合、会社側が「元々シフトを組んでいない」などと休業と認めない例が相次いでいる。

 川内氏はこの点を突き、「確認せず、会社側に(支給したことを)『通知』する運用に変えてはどうか」と求めた。通知を受けた会社が事後的にチェックし、おかしければ是正を求める方式にしてはどうかという提案だ。

 これに対し、田村憲久厚生労働相は「(本来、給付を)受けられるのに受けられていない方々には、われわれもなんとかしなきゃならんと思います」と問題は認めざるを得なかった。だが、あくまで支給前の確認の必要性は譲らず、「通知」に変更する提案には応じなかった。

16:20

不適切な給付金の検挙、54件83人と国家公安委員長

 立憲民主党の川内博史氏は、新型コロナウイルスの経済対策の持続化給付金を不適切に受け取る事例が相次いでいることについて質問。小此木八郎国家公安委員長は関連の検挙件数が10月28日までに計54件83人に上るとし、「大変悪質な詐欺。決して許さないという態度で警察を指導する」と答弁した。

 持続化給付金をめぐっては、不正受給の報道を受け返還申し出が急増。事業を担当する経済産業省の30日の発表によると、29日までに6028件の返還申し出があった。主な返還理由は「誤って二重で申請した」「書類に間違った数字を入力した」などだった。

 返還の申し出は今後も増えるとみられており、チェック体制の甘さを指摘する声もある。ただ、経産省は、審査体制に不備があったわけではないと説明している。

15:45

秘書官からのメモ読み上げ、質疑と答弁かみ合わず

 立憲民主党の今井雅人氏は、任命を除外された日本学術会議の会員候補6人の中に、中傷を受けている研究者がいると指摘した。菅氏はその責任を問われ、「実態として学術会議の機能、役割や会議による提言などについて国民はほとんど知らないのが現状ではないか」などと秘書官が差し出したメモを読み上げ、正面から答えなかった。

 今井氏は、任命されなかった研究者本人だけでなく、教え子の中には就職を不安に思う学生もいると指摘したが、菅首相は「国民の期待に応えるためには、そのあり方を考える必要がある」などと答弁し、かみ合わなかった。

 野党側が抗議し、改めて今井氏が「首相の今回の判断で不利益を被っている人がいる。責任を感じないのか」とただし、菅首相は「そういうことはあってはならない」と述べた。

■首相と同郷の金田予算委員長「…

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