苦しい紙の本、児童書は堅調 大人も読めるヒット作続々
森田岳穂
「本離れ」が急速に進むなか、児童書は着実に売れている。少子化で子どもは減っているのに、なぜなのか。
出版科学研究所の調べでは、2019年の書籍(雑誌・コミックのぞく)の売り上げは、11年より2割少ない6723億円。一方、絵本や読み物、図鑑といった児童書は880億円で1割増えた。久保雅暖主任研究員は「児童書は電子書籍になっていないものが多いうえ、子どもに読み聞かせるには紙のほうがいいと考える大人も多い。大人も読める作品の大ヒット作も相次いでいる」と話す。
ヒット作の筆頭格は「ざんねんないきもの事典」(高橋書店)や、アニメやグッズにもなった「おしりたんてい」(ポプラ社)。児童書の出版点数も増加傾向にあり、「新規参入する出版社も相次いでいる」(久保さん)。
学術系出版社の弘文堂が昨年…