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 大阪市をなくして特別区に移行するかどうかを問う大阪都構想の住民投票は、反対多数で大阪市の存続が決まった。それでも、自分が住む自治体の枠組みについて考えてみる貴重な機会となった。その都構想のモデルとなった東京都と東京23区に目を向けてみると、長年にわたる東京の課題も見えてきた。(井上裕一)

 「大阪の新たな特別区が実際にちゃんと運営できるのかみたいが、東京にとっても参考になる仕組みだ」

 練馬区議出身で、都と区のあり方について都議会で取りあげたこともある尾島紘平都議(都民ファーストの会)は、大阪都構想の制度設計についてそう話す。

 大阪都構想は、大阪市をなくして四つの特別区に分け、教育や福祉は特別区に、大規模なインフラ整備や成長戦略は大阪府に集約することを目指した。

 特別区は全国で東京23区のみだが、そもそも東京も、明治から昭和前期にかけては「東京府」と「東京市」に分かれていた。東京市の面積はいまの東京23区よりやや小さく、1940年時点の人口は約680万人。それが第2次大戦の戦時体制下の1943年、「帝都」の統制を強めるために府と市をなくし、東京都が誕生した。47年に区が再編されて現在の23区となり、地方自治法で「特別区」と位置づけられた。

 大阪市や横浜市といった政令指定市にも区があるが、それは「行政区」と呼ばれ、市の一組織にとどまる。区長も市長が任命する市の職員だ。

 では特別区とは、どういった存在なのか――。実は戦後、そのことが問われ続けてきた。

 52年の地方自治法改正で特別…

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