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分極社会

 4年前の大統領選で、トランプ米大統領を当選させた原動力の一つは、キリスト教福音派の支持だった。大統領に就任してからも、トランプ氏の「岩盤支持層」と言われてきた福音派を動かすのは何か。(オハイオ州カントン=渡辺丘、ワシントン=金成隆一)

 中西部オハイオ州ポーテージ郡の郊外で26日、元福音派牧師のジェームズ・タスカーさん(77)と、妻のローズマリーさん(81)は雨の中、約300軒を訪問して回った。

 2人の目的は、州の宗教団体が作った「投票ガイド」を各戸に配ること。中には「女性が中絶を選ぶ権利を認めた最高裁判決 バイデン賛成 トランプ反対」とある。タスカーさんは「多くの宗教保守派がトランプ氏再選を祈っているのは、彼の人格が理由ではなく、聖書の価値観に最も近い政策を実現してきたからだ」と語った。

トランプ氏の離婚や不倫も我慢

 米国は、連邦憲法の修正1条で国教の樹立を禁止している。同時に建国以来、長年にわたってプロテスタントを中心とするキリスト教徒が主流派だった。現在も、他の先進国と比べて信仰心があつい国として知られ、日常の隅々にキリスト教の習慣が見られる。

 しかし、近年は世俗化も急速に進む。ピュー・リサーチ・センターによると、プロテスタントと自認する成人は2009年に51%と過半数だったが、18年には43%まで減った。一方、無宗教は09年の17%から26%まで増えた。世代間の差も大きく、1928~45年に生まれた世代は84%がキリスト教徒を自認するが、81~96年に生まれた世代は49%だ。

 プロテスタントの中でも、聖書の記述を忠実に解釈し、厳格な信仰を守る福音派は最大勢力で、米人口に占める割合は約25%ともされる。民主党が人工妊娠中絶や同性婚の権利を主張するなか、福音派は共和党支持を鮮明にしてきた。

 トランプ氏は敬虔(けいけん)なキリスト教徒ではなく、離婚や不倫を重ねるなど、福音派の価値観とは相いれない。16年の大統領選では当初、福音派がどこまでまとまるのか、疑問とされた。しかし、トランプ氏は「当選したら、ホワイトハウスで影響力を行使させる」と福音派の指導者に約束し、保守系の最高裁判事指名などを公約として表明。結果的には、白人福音派の81%がトランプ氏に投票した。

「聖書地帯」の住民、世俗化を危惧

 福音派を中心とした熱心なキリスト教徒が特に多い南部州はバイブルベルト(聖書地帯)と呼ばれる。そのど真ん中、アラバマ州ウィンストン郡ではトランプ氏が4年前、9割の票を獲得した。住民の福音派ジョージ・ギブソンさん(74)は「米国の合言葉は『我らは神を信ずる』だが、今では神を信じない人が、キリスト教に関連する、あらゆるものを排除しようとする。メリー・クリスマスも言えない社会になった」と嘆く。

 「メリー・クリスマス」が話題…

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