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 プロボクシングの西日本新人王決勝戦が1日、大阪市浪速区のエディオンアリーナ大阪であり、スーパーバンタム級(約55・3キロ以下)で高知県四万十町出身の福永宇宙(そら)選手(22)=黒潮ジム=が判定勝ちした。黒潮ジムから西日本新人王が生まれるのは17年ぶり。四国のジム所属選手として初となる全日本新人王へあと2勝とした。

 決勝戦の相手は、神戸市のサンライズジムの西村連選手(24)。序盤から強打の福永選手が前進したが、相手も足を使いながら距離をとって応戦してきた。2回、福永選手の右ストレートが当たり、3回には得意のボディー攻撃も見せるも、西村選手の足は最後まで止まらなかった。4回を終えて判定へ。3人のジャッジは2―1と割れたものの、福永選手が勝ちをさらった。

 試合後は反省を口にした。「相手にうまく足を使われ、終わった時は『倒せなかったな』と。打ち合いができず、出し切れなかった感じがしますね」。続けて「細かいパンチをもらい、勉強になりました。勝って反省できて良かった」と話した。戦績は7戦全勝(3KO)となった。

 試合後、報道陣らの投票で全10階級の優勝者から3賞が選ばれ、福永選手は敢闘賞を受賞した。「何かを一生懸命やって賞状をもらったのは初めて」と喜んだ。賞状は、女手一つで育ててくれた母・園さんに渡すという。8月の初戦、9月の準決勝はコロナ禍のため無観客開催だったが、今回は母を含む応援団約50人が来てくれた。入場時には「そら」コールが起こり、「うれしくて、力になりました」。

 福永選手のジム入門は2年前。野球や柔道の経験があるとはいえ、競技歴は浅い。しかもプロ選手は黒潮ジムに一人だけで、実戦練習の相手が限られる。そのため、仕事の休みを使って関西への出稽古を繰り返してきた。トレーナーも付かずに一人で出向くが「乗り込んで行くので試合のような気持ちでやれる」。いつも一人でやって来る姿を見て、協力してくれる人も増えた。今は大阪府南部の堺市の勝輝(かつき)ジムで世話になることが多い。

 次戦は12月27日に大阪市である西軍代表決定戦。それに勝てば来年2月、東京・後楽園ホールである全日本新人王決定戦に進む。このトーナメントは1955年からの歴史があるが、まだ四国のジムから全日本新人王は出ていない。「何も変わらず、そこまで突っ走ります」。勝利の余韻を残しつつ、ジムの小川竜司会長が運転する車に乗って、高知に帰っていった。(伊藤雅哉

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