畑宗太郎
拡大するそこが気になるアメリカ大統領選
「南部の共和党支持者」「青い州(ブルーステート)と赤い州(レッドステート)」――。アメリカ大統領選挙の報道では、そんな言葉で地域ごとに支持者の分布や傾向が語られるのを目にします。その分類にはどんな背景があり、どの程度現状を反映しているのか。アメリカの社会や歴史に詳しい一橋大学の貴堂嘉之教授(アメリカ政治社会史)に解説してもらいました。
――まもなく今年の大統領選が投開票されます。どんな点に注目していますか。
民主党のバイデン前副大統領の優勢が伝えられていますが、前回は大方の予測に反して共和党のトランプ氏が大統領に当選しましたから、結果はふたを開けてみるまでわかりません。
拡大する150周年を記念して再現された南北戦争の戦い。紺色は北部軍、灰色は南部軍の象徴。後ろでは、自動車が行き来していた=2014年5月、バージニア州スポッツィルバニア、中井大助撮影
ただ、トランプ氏は仮に敗れても、「郵便投票で不正があった」などと訴えて法廷闘争に持ち込み、ホワイトハウスに居座り続ける戦術を取る可能性があります。最高裁のギンズバーグ判事が亡くなった際、すばやく最高裁人事に介入しようとしたことを見れば、法廷闘争を狙っていることは明らかです。識者の中には、かつての南北戦争、つまり小競り合いから内戦が起きるかもしれないと指摘する人もいます。前代未聞の事態ですから不安ですね。
――再び南北戦争、ですか。
もちろん、かつての奴隷州の南…
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朝日新聞国際報道部