聞き手・片山健志 聞き手・武田啓亮 聞き手・天野彩
高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の選定プロセスが、北海道の2町村で動き出した。先送りされてきたこの問題、どこから、どうやって解いたらいいだろうか。
産業廃棄物の会社だったら処分場がなければ都道府県知事は許可しない。ところが原発は、「核のごみ」の最終処分場がないのに政府が許可している。これはおかしい。
とはいえ、今まで出たごみは何とかしないといけない。受け入れ先を決めるのは大変だ。「ごみはもう出さない」「原発はゼロにする」という前提でないと、国民の合意は得られない。まず政府が、原発ゼロを決めなきゃだめだ。まだ原発やりますなんて言ったら、だれもOKしない。
拡大する朝日新聞のインタビューに答える小泉純一郎元首相=2020年10月7日午後2時12分、東京都品川区、杉本康弘撮影
1942年生まれ。2001~06年に首相。福島原発事故を機に、原発推進から「ゼロ」へ考えを改めた。
最終処分場はまだ世界にたった一つしかない。フィンランドの島に建造中の「オンカロ」という施設だ。2013年に視察した。首都ヘルシンキからジェット機で約1時間、そこから船をチャーターした。フィンランドは岩盤でできている国で、その島もそうだ。地下約400メートルまで掘った坑道は緩やかならせん状になっていて、マイクロバスで進んでいくと2キロ四方の広場ができていた。そこに核のごみを埋めるんだという。
壁に黒い染みのようなものが数…
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