[PR]

 1日投開票された「大阪都構想」の住民投票。朝日新聞社が同日実施した出口調査で、「反対」の理由を前回2015年の住民投票と比べると、当時大阪市長だった橋下徹氏の「影」が浮かび上がる。

 投票当日の出口調査は、大阪市内60投票所で行い、2948人から有効回答を得た。

 調査では「賛成」「反対」に入れた人にそれぞれ理由を尋ねた。回答は「行政の無駄減らし」「大阪の経済成長」「住民サービス」「維新の政策」の四つの選択肢から選んでもらった。賛否ともに同じ選択肢にそろえたが、15年は「維新の政策」ではなく、「橋下市長の政策」とした。

 今回の住民投票で「反対」に入れた人のなかで「維新の政策」を理由に挙げたのは12%で最も少なかった。直接比較できないが、前回の「反対」の理由で「橋下氏の政策」は26%にのぼり、2番目に多かった。

 前回の住民投票は大阪市役所改革を「都構想」へと推し進め、強い個性とスピード感で改革に取り組んだ橋下氏の下で実施された。このため「賛成」「反対」どちらにしても「橋下氏の政策」であることが判断理由の一部を占めていた。

 それから5年がたった。松井一郎、吉村洋文両氏の時代となった今回の住民投票は、「維新の政策」を理由に賛否を判断する割合が「賛成」「反対」ともに減った。むしろ都構想の中身を理由に挙げる人が増えていた。

 橋下氏不在の住民投票は有権者が都構想の中身について、より踏み込んで判断する方向へと作用した。裏を返せば、この間の大阪維新の政治や政策が一定程度、浸透してきた結果とも言えるだろう。(編集委員・堀江浩)