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 「核のごみ(原発から出る高レベル放射性廃棄物)」の最終処分場をめぐり、国の選定プロセスに応募した北海道寿都町で3日、「脱原発」を主張する小泉純一郎元首相が講演した。応募に反対する町民団体が企画し、対立する片岡春雄町長も招待していたが、片岡町長は欠席した。

 会場の体育館には、町民を中心に約410人が集まった。主催したのは、町内の水産加工業者らでつくる「子どもたちに核のゴミのない寿都を! 町民の会」。片岡町長が選定プロセスの第1段階「文献調査」への応募を表明する直前の10月上旬、小泉氏が引き受けていた。

 小泉氏は首相在任中(2001~06年)には原発が安全だと信じていたが、11年3月の東日本大震災で東京電力福島第一原発事故をきっかけに考えを改めたことを振り返った。「過ちて改めざる是(これ)を過ちという」という論語の一節を紹介し、理由を説明した。

 核のごみについては、フィンランドで建設している最終処分場を視察した経験を、身ぶり手ぶりを交えて説明した。岩盤でできているフィンランドの地下でさえ、核のごみが水で漏れ出す不安があると指摘。「日本でどこにつくるのか。処分場がなく、あてがない。こういう状況で原発を再稼働してはいけない」と述べ、まずは「原発ゼロ」をめざすべきだと強調した。寿都町が応募した文献調査の是非については言及しなかった。

 片岡町長は、最前列に席が用意されていたが会場に姿を見せなかった。取材に「悩んだ揚げ句、行かないことにした」と話した。町民の会の共同代表の吉野寿彦さんは「残念だけど想定はしていた。町長は勉強もしたくないのか」と報道陣に語った。(伊沢健司、佐久間泰雄)

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