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 大阪府高槻市の三好山山頂にある戦国武将・三好長慶(ながよし)をまつるほこらを地元有志が再建した。長慶が拠点とした芥川(あくたがわ)山城跡にあったが、2年前の台風21号で損壊していた。山頂へ向かう道も住民の手で整備され、気軽にハイキングを楽しむことができる。

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 高槻市営バスの塚脇バス停から山道を30分ほど歩くと、標高182メートルの三好山頂に着く。山頂には16世紀初め、芥川山城が築かれた。長慶は1553年に入城し、一時本拠地とした。

 城跡に立つほこらは間口1メートル、高さ2・3メートル、奥行き1・5メートルほど。江戸時代中期の宝暦7(1757)年に再建されたとの記録があるが、最初に建立されたのがいつかは不明だ。

 地元の郷土史家、古藤幸雄(ことうゆきお)さん(80)によると、ほこらはかつて、長慶の命日に近くの住民が参拝する程度で、山道も整備されていなかった。だが、一時は近畿、四国に勢威をふるった長慶を「多くの人に知ってほしい」と2012年、古藤さんら有志が実行委員会をつくり、山道などの整備に乗り出した。

 城跡には主郭、副郭、土塁、堀切などの遺構があり、戦国期の典型的な山城とされる。山頂からは大阪平野や生駒山などが一望できる。川や断崖に囲まれ、軍事上の要衝だったことがうかがえる。

 住民らの努力もあり、芥川山城は17年に日本城郭協会の「続日本100名城」に選定された。市も国史跡への指定を目指してきた。

 そこへ18年9月、台風21号が襲った。猛烈な風で木が倒れ、山道をふさいだ。ほこらも土台が崩れ、屋根の瓦も吹き飛んだ。「最初に整備した時よりもひどくて、呆然(ぼうぜん)とした」と古藤さんは振り返る。

 地元の人たちは再び立ち上がった。チェーンソーで倒木を取り除く一方、ほこら再建のため寄付を募った。総費用は約100万円。2年後の今年9月、ほこらは再びよみがえった。

 再建に合わせ、長慶の家臣で高槻出身とされる松永久秀も合祀(ごうし)した。将軍暗殺に関与し、裏切りを繰り返したなどとして悪人のイメージが強かったが、最近の研究ではこれらの多くは誇張や創作で、実際は主君の長慶らに忠義を尽くした人物だったと再評価されてきた。今年のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」でも主要人物として登場している。

 古藤さんは「ほこらを通じ、三好長慶や松永久秀の功績を知ってもらえれば」と期待をこめる。(堀之内健史)

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