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 戦国武将・明智光秀の娘、細川ガラシャをテーマにした新作オペラ「ガラシャ」の初めての上演が今月下旬、京都府内である。ガラシャを演じるのは、舞鶴市出身で世界的に活躍するソプラノ歌手、田中彩(あや)子さん(36)。「いかに深いテーマや人生を表現し、人の心に届けるのか。私にとっての挑戦です」と語る。

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 細川ガラシャは、細川忠興の妻。本能寺の変を機に「謀反人の娘」として苦難の道を歩み、キリスト教に改宗してガラシャを名乗った。関ケ原の戦いのなかで敵方の人質に取られそうになり、家臣の介錯(かいしゃく)で絶命。壮絶な人生だった。

 ガラシャの人生を描く本作品は、俳優の升毅さんが演じる細川家の重臣・小笠原少斎がガラシャを介錯した後、ガラシャの勇気と気高さを称賛し、自らも後を追うストーリーだ。

 初演は20日、京都市北区の上賀茂神社橋殿で。22日にも府丹後文化会館(京丹後市)で上演される。上演時間が約1時間と短く、登場人物も2人だけ。小規模な「モノオペラ」と呼ばれる形式だといい、今後は世界各地での上演も検討されている。

 田中さんは府立西舞鶴高校を卒業後、18歳でウィーンに音楽留学し、22歳のときにスイスの歌劇場で「フィガロの結婚」のソリストとしてデビュー。いまはウィーンを拠点にして、欧州を中心に活躍している。

 今回は総合プロデュースも担当する。「ガラシャはミステリアスな存在」と話し、人々の持つさまざまなガラシャのイメージを壊さないよう、感情を抑えて静かな演出にするという。丹後ちりめんの打ち掛けをまとい、扇子など小物にも、丹後産の伝統工芸品を用いる。少人数の配役にこだわったことについては「きちんとした劇場のない国でも上演できる。(時間が)短くなることで、オペラに興味をもつ人も増える」と考えたという。

 脚本は、ガラシャをテーマにした本も出版している京丹後市の翻訳家、横島昇さん(67)。横島さんは「死に向かった人間の生き方と、転落や後退を乗り越えて復活する人間の高貴さを書きたかった」と話す。

 上賀茂神社での公演は完売。京丹後公演の問い合わせは府丹後文化会館(0772・62・5200)。27~30日には有料でネット配信もされる。(横山健彦)

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