空き家活用で地域活性化を 世田谷区に施設オープン

野田枝里子
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 空き家を活用して、地域活性化を――。長い間空き家だった建物を改装して、新しい価値を生み出す取り組みが増えている。空き家活用を事業の好機ととらえる企業も参入している。

 東京都世田谷区の閑静な住宅街の一角に、薄いミントグリーンでおしゃれな外観の3階建てのビルがある。小田急祖師ケ谷大蔵駅から徒歩2分。10月30日にオープンしたばかりの施設「b.e.park」だ。開放感あふれる1階に飲食店が入る。2、3階部分はシェアハウスになっていて、現在は20代の男女4人が入居する。

 空き家活用に取り組む不動産会社「ジェクトワン」が改装を担当した。もともとは築60年以上の社員寮で、20年近く空き家だったという。昨年12月に所有者から相談があった。

 同社空き家活用プランナーの布川朋美さんは「商店街はあるけれどチェーン店が多く、気軽に入れる店が少ないという声があった。駅も近くて学生も多い。どうにか活用して、コミュニティー作りの場になればと考えた」。約3カ月、全体で約2千万円をかけて改装した。

 総務省の2018年の住宅・土地統計調査(抽出調査)によると、都内の空き家は全住宅の約1割にあたる80万9900戸だった。その7割が23区に集中している。

 同社はこれまでにも空き家を改装してブックカフェを作ったり、廃業した商店街の履物屋をシェアキッチンにしたりして、再生してきた。今年度の都の空き家対策の支援事業にも採択され、高齢者ら向けのセミナーや若者向けのイベントを手がける。

 布川さんは「空き家は地域活性化の資源にもなるし、可能性はたくさんある。『空き家=暗い』というイメージを変えて、ポジティブにとらえてほしい」と話す。(野田枝里子)