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 新型コロナウイルスの影響で運航を中断していたクルーズ船「飛鳥Ⅱ」(5万444トン)が4日朝、静岡市の清水港に寄港した。大型客船の来港は昨年12月以来。岸壁での歓迎イベントは取りやめ、一般の立ち入りを禁止し、下船後の行動も制限するなど厳戒ムードでの受け入れとなった。

 午前8時半に着岸すると、乗客は横付けされたバスに足早に乗り込み、三保松原など周辺の観光地に向かった。夫婦で乗船した東京都杉並区の相沢一朗さん(88)は「規制があるのはやむを得ない。でも部屋から望む富士山がとてもきれいでした。やっぱり船旅はいい」と笑顔を見せた。

 岸壁では「おかえりなさい」の垂れ幕を掲げた物販店が営業。名物のお茶やパック入りのおでんを販売していた伊藤信吾さん(55)は「待ちに待った再開。でも、客足も景気もぼちぼちというところかな」。

 運航する郵船クルーズ(横浜市)によると、今回の船旅の乗客数は300人ほどで、感染防止の観点から定員の半分以下に絞った。寄港先での観光もバスの利用を呼びかけ、単独行動を控えるよう求めたという。一行は4日夕に清水を離れ、横浜へ向かった。

 コロナ禍で今年に入り76隻の入港がキャンセルになった。県によると、昨年は5万959人いた船客が今年は3日まではゼロ。それだけに、運航再開に県も市も「観光面の起爆剤に」と期待感をにじませる。だが、感染予防の徹底と経営面の両立に苦慮する運航会社もおり、先行きには不透明感も漂う。

 飛鳥Ⅱは2日に横浜港を出て、3泊4日の日程で清水港とを往復し、5日に横浜に戻る。(中村純)

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