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 2023年春の開業に向けて工事が進む北陸新幹線金沢―敦賀間内の「加賀トンネル」(石川・福井県境、全長約5・5キロ)でひび割れが見つかった問題で、追加工事の完了時期のめどが立っていない。約1400本のボルトを地盤に打ち込む補強工事だが、専門性が高く、担い手の確保が十分でないという。関係者からは、開業の遅れを懸念する声も出始めている。

 国土交通省や工事を発注する「鉄道・運輸機構」によると、トンネル内の7カ所延べ約1キロで、地下水を含んだ土が膨張し、地面にひびが入っているという。ひび割れは3月に判明。膨張をおさえるため、これまでに長さ12メートルのボルトを約200本打ち込んだ。

 ボルトは少なくともあと1200本が必要だが、機構側によると、資材調達のめどは立ったものの、トンネル内の特殊な環境下でボルトを設置する専門性の高い作業を担う人材確保が十分でないという。また、工事が進む中で、今後必要なボルトの数が増える恐れも否定できないとしている。

 工期の遅れは開業時期の延期に直結するだけに、国交省の担当者は「どれだけの機材や人を用意できるのか。施工体制について、早く確認して答えを出して欲しい」と機構に要望しているという。ただ、機構の担当者は「困難な状況ながらも出来ることをやるしかない」と述べるにとどまっている。

 こうした事態に、開業を待ち望む地元自治体からは不満の声も漏れる。

 石川県の谷本正憲知事は4日、報道陣の取材に「追加工事が必要なことは報道で知った」と不満をあらわにした。さらに「なぜ開業まであと2年半のタイミングで、問題が次から次へと降ってわいてくるのか分からない。15年の政府・与党の申し合わせ通り、22年度末の完成は公の約束事」と話した。(三井新、岡純太郎)

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